写真 外国人はなぜ笑顔
日本人も現在は一般的になりましたが、外国人、特に欧米人は写真を撮るときは当たり前のように男女問わずほぼ全員が笑顔ですね。それも、とびっきりの笑顔を作ってポーズをとる人が多いのはどうしてなんだろう?と思ったのです。
調べたら、欧米人も昔は写真には笑顔は全く無く、硬く暗い表情ばかりだったそうなのです。
その理由は次のようなものだったそうです
- 初期の写真機は性能がまだまだで、露光時間がとっても長いが動くとピンボケになるので、笑顔を長時間維持するより無表情のほうが楽だった。
- 写真機が登場した1900年代(江戸末期から明治)、ヴィクトリア朝時代からエドワード朝時代にかけては、笑顔は頭の悪さを証明するものであり、公の場で笑うのは愚かな、ふざけたことと考えられていた。
- ヨーロッパの伝統的肖像画の表情の影響が大きかった
つまり、物理的理由と文化的理由で笑顔写真は無かったそうです。
それが解消されたのはまず物理的理由からで、現在でも最大のメーカーであるアメリカのイーストマン・コダック社が露光時間短縮に成功した当時では画期的なカメラ「ブローニーカメラ」が1900年に発売され、ちょっとだけ笑顔写真も出てくるようになったようです。
それでも、まだ‘笑顔写真’は2番の理由で敬遠されていたようなのです。
ところが、ある一枚の写真が切っ掛けで大変化したらしいのです。
1904年(明治37年)、人類学者のバーソルド・ローファーという、いわばアマチュア写真家が中国の若者をモデルにした写真を撮り発表しました。
←タイトルは「ごはんを食べながら笑う男」
どう見たって現代写真です。とても100年以上前の写真とは思えません。
モデルも現代の若者そのもので、なんとも楽しそうな笑顔がこちらまで楽しくさせられます。
どんないきさつで撮ることになったのか、二人はどういう関係だったなのかは不明ですが、人類学者と中国人の若者、今でも見る人の気持ちを動かす笑顔写真、当時の人たちにはセンセーショナルな写真であったことは間違いないでしょう。
この写真をきっかけに笑顔写真が急増したとされます。
アメリカの場合は、さらに多国籍国家のため言葉が通じないため敵意が無いという手段として笑顔を作る習慣ができ、その結果として写真も笑顔で撮影が増えたと推測されています。
もしかすると、欧米人の理想の写真の笑顔はこの中国の若者の笑顔なのかもしれません
でも、私を含め、笑顔に自信が無い人が多い日本人にとっては、まだまだ欧米人のようにいかない気がします。
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コメント
笑顔もそうですが、日本人はジョークが少ないと思います。
ジョークを飛ばしても受けないことが多いですからね。
とくに政治家は時に禁句になっているようです。
投稿: もうぞう | 2019年11月22日 (金曜日) 07:11
もうぞうさんへ
かえって、昔の日本人のほうが「粋な洒落」を楽しむ人が多かった気がします。
現代人は粋な洒落とジョークを区別・差別する風潮が良くないと思います
投稿: 玉井人ひろた | 2019年11月22日 (金曜日) 07:52
玉井人さん
確かに欧米人は写真を撮るときにしっかりと
した笑顔を作るときが多いです。
その点、日本人はgiggleというかあいまいな
笑顔で撮るときが多いのかな。
いつかシカゴにいたときに、英語の先生から
「あなたのgiggling は不可解だ」といわれたことが
あります。クスクス笑いというか作り笑顔と
いうのでしょうか。「場面」をつくるのが
日本人はへたなのかもしれません。
投稿: へこきあねさ | 2019年11月22日 (金曜日) 11:45
へこきあねささんへ
ロシア人は、笑顔は非礼な態度という考えがあるそうで、それに近い考えがあるようにも思えます
投稿: 玉井人ひろた | 2019年11月22日 (金曜日) 13:55