台風、取り残された聴覚障害夫婦
福島県内では台風19号の被害についての検証が進められていますが、そのなかで助けに来た消防隊員に気づかれず、浸水した自宅に取り残された夫婦が居たことが判明しました。
福島県伊達市梁川町に犬や猫と暮らす70代夫婦は共に聴覚障害者で、19号が近づいていた12日に手話通訳者から避難を呼び掛けられ、避難勧告のエリアメールも携帯に届いていたが、ペットも心配だし、雨音も聞こえない二人は「大丈夫だろう」と考え避難しなかった。
ところが10月13日未明には氾濫した水が家を襲い、床上まで達して夫婦はペットを連れて2階へ避難した。
同日午前3時ごろ、取り残されている人を探す消防隊員がボートで回り、夫婦の家にも来てドアをたたき大声で呼び掛けた。
しかし、聴覚障碍者の夫婦には、ドアをたたく音も、呼び掛ける隊員の声も、全く聞こえず返答することはなかった。
隊員は返事が無いので「ここには誰もいない」として、立ち去った。
11時ごろに避難した近所の人が「耳が聞こえない夫婦がいます」と隊員に伝えたが、「居ない」と確認済みの消防隊員が再度夫婦のところへ向かうことは無かった。
夫婦が救助されたのは水が引いたその日の午後1時過ぎ、隊員が去ってから約10時間、夫婦が2階に避難してから12時間以上も経ってからだった。
音声による119番が困難な聴覚障害者らのため、スマートフォンなどを使って文字情報で通報できる「Net(ネット)119緊急通報システム」があるそうですが、総務省消防庁によると、伊達市を管轄する消防署はまだ取り入れていないところだったようです。(2020年度末までに導入予定だったらしい)ようです。
これらの事案を踏まえ、県などでは聴覚障害者を支援するためデジタル機器の充実などを検討しはじぇめ多様ですが、いずれも電気が切れればおしまいの危機ばかりです。
これだけ災害が繰り返されても行政というのは「停電」というのを頭に入れられないのでしょうかね。不思議でしょうがないです。
日本語が、判らない、読めない外国人たちも、エリアメールや避難の呼びかけがあっても視聴覚障害者と全く同じ状態になっていたが、同僚や近所の人によって伝えられ助かっています。
それよりも、何も聞こえない浸水した家で老いた夫婦が二人、どんな気持ちで過ごしていたのでしょうか?
想像もつきませんが、わたしは昔にテレビで視た「名も無く貧しく美しく」というドラマを思い出してしまいました。
これは最初は映画だったそうですが、私が視たのは篠田三郎さんと島田陽子さんが夫婦役をやったテレビでした。
実話をもとにしたと覚えていますが、伊達市の夫婦はそれの現代版のような気がして重い気持ちになってしまいました。
最初の映画の予告版がありました↓
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コメント
私も耳が聞こえにくいので
補聴器を外すと
玄関のチャイムや、
電話の音を聞き逃します。
地震のように揺れればわかりますが
他人事とは思えません。
家族の者がいる時はいいですが。
投稿: マコ | 2020年1月 6日 (月曜日) 11:15
マコさんへ
そうでしたか。私の母も高齢というのも在りますが、片方の耳がほとんど聞こえないので、チャイムは解りません。
誰かが入ってきていても全く気づきませんので、判る気がします
投稿: 玉井人ひろた | 2020年1月 6日 (月曜日) 11:33
障がい者も暮らしやすい世の中になって来ているのですが、まだまだなんですね。
耳がよく聞こえないのと、目がよく見えないのでは、どっちがマシか?
なんてよく聞く設問です。
補聴器は非課税ですからね。
投稿: もうぞう | 2020年1月 6日 (月曜日) 17:38
もうぞうさんへ
どっちがましでしょうか?私ならどっちもつらいです
投稿: 玉井人ひろた | 2020年1月 7日 (火曜日) 14:08