秋霜烈日(しゅうそうれつじつ)
検察官のバッジには秋霜烈日を意味することを、昔キムタクが主演で中卒の検事が活躍するドラマ「HERO」で知りました。
なんの圧力に屈せず正義と法を守るという意味が込められているようです。
そこで今回の黒川弘務東京高等検察庁検事長の異例の定年延期問題です。
現在の検察庁のトップである稲田伸夫検事総長(63)が就任から2年目になる今年8月、慣例として就任2期目なので退任することが予定で、後任は東京高等検察庁検事長が就任することが慣例で決まっていた。
現在は黒川弘務東京高検検事長(63)だが2月7日に定年退職のため、林真琴・名古屋高検検事長(62)が横滑りし黒川検事長に変わってその職に就き、今年の8月には検事総長になることが内定していた。
ところが黒川検事長が定年退職する直前の1月30日、突然に同検事長の定年を6か月間延長することが閣議だけで決まってしまった。
しかし、「検察庁法で検事の定年延長は行われない」ことが決まっていて、過去の人事院答弁↓でもそれは明らかです。
- 1947年(昭和22)制定の検察庁法
「検事総長は、年齢が65年に達した時に定年とする。その他の検察官は年齢が63年に達した時に定年とし退官。定年延長は無い」 - 1981年(昭和56)人事院局長答弁
「一般の国家公務員はの国家公務員法改正で定年延長の特例が定められたが、検察官には適用されない」
つまり安倍内閣は法改正も行わず、国会にも諮らず検事の定年延長の断行は、法律に違反する政治介入行為だったのです。
上記図>この違法な定年延長の決定により、林検事長に替わって、安倍総理の側近とも言われる黒川検事長が次期検事総長になることを、安倍政権は確実にしてしまったのです。
検事というのは政府閣僚なども起訴する立場から、定年延長など行政によって人事への介入や変更しないことが国の不変的判断になり、結果として司法の中立性と独立性が保たれてきた経緯があります。
つまり、今回のことは行政が検事の定年や人事に介入する前例となり、検事は与党に都合のいい人事されることが容易にできる可能性が前例としてできてしまったのです。
安倍総理は法律解釈を変えたと答弁しましたが、そのことも人事院にも国会にも連絡も諮りもせず閣議(一部の閣僚だけ)だけで決定したのです。
福島県選出の森法務大臣に至っては、司法の根幹をなす事案を口頭で決済をしたというのですから呆れます。
総理は「法務省の要請で延長した」と答弁しましたが、2月19日に行われた全国検察長官会ではその法務省のトップでもある静岡地検の神村昌通検事正が異例の批判意見が述べられたそうです。
紙を手にした、神村検事正は黒川氏の定年延長を念頭に法務大臣が発することができる検察庁法で定められた「指揮権発動」についての条文を読み上げ
「今回の(定年延長)ことで政権と検察の関係に疑いの目が持たれている」
「国民からの検察に対する信頼が損なわれる」
「検察は不偏不党、公平でなければならない。これまでもそうであったはず」
「この人事について、検察庁、国民に丁寧な説明をすべき」
こうした趣旨の意見を述べたようです。それに対して同席していた法務省の辻裕教事務次官からは「定年延長は必要であった」と述べるにとどまったというのですが、当の黒川検事長も居た会場は凍り付いたのようになったそうです。
神村検事正のような方こそ、検事のバッジにふさわしい人物です。
国家の「晋型ウイルス」だれが検疫するのでしょうか
公文書を残すと、後に検証されるとまずいからでしょうが、森法務大臣は法律家とはとても思えません。弁護士資格を返上すべきです。福島県の恥です。
黒川検事長は、安倍総理にべったりの人物といわれ、東京検事長になったこと自体が異例(異常)なことだそうです。
これで、自民党が検事の人事に介入したのは2度目だそうです。
一度目は、佐藤栄作総理大臣の不祥事問題のときだそうです。安倍総理の大叔父ですね。そういう一族なのでしょうか?
黒川検事長が検事総長ならないようにするには、稲田検事総長が任期を1年延長し定年になる来年の8月まで継続すれば黒川検事長は延期切れになりますので退官するしかないです。
ただ、そうなればまた安倍総理が蛮行行為をやってくるでしょう。
法律家のほとんどが「背筋が寒くなった」というほど司法体制に行政=安倍政権が介入するという蛮行・凶行ですが、新型ウイルス問題でその恐ろしさについて集中した報道ができないのは、さらに恐ろしいことです。
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コメント
日本が法と国家でなくなることがどんなに恐ろしいことか。与党陣営からも反応が出始めています。もう一押しです。
投稿: ましま | 2020年2月29日 17:01
ましまさんへ
公文書改ざんや破棄をした段階で、もう異常国家でしたからね。
早く正常な国家になってもらいたいものです
投稿: 玉井人ひろた | 2020年2月29日 18:25
コメントにもなりませんが、難しくてよく分かりません。
投稿: もうぞう | 2020年3月 1日 07:15
もうぞうさんへ
文章が長すぎなのもよくないですね。
投稿: 玉井人ひろた | 2020年3月 1日 17:28