父を運んで “300里”
昨日の朝刊の、本当に小さな、小さな記事ですが、「日本国内で14年ぶりに狂犬病の発症者を確認」という記事がありました。
発症したのは愛知県豊橋市で、発症者は今年2月に就労のためフィリピンから来日した方で、昨年9月頃にフィリピンで左足首を犬に咬まれたということから、そこで感染したのだろうということです。
WHOによれば、この致死率が非常に高い狂犬病によって今も年間に「約 59,000人」が亡くなっているとしており、その6割、つまり35,000人以上をアジアが占めています。
そのアジアでも最も多いのはインドだそうです。人口がもう少しで中国を越しかけている国ですから、多いのは当然かもしれませんが医療体制や公衆衛生環境の悪さがその要因でしょう。
そのインドで今話題なのが、ジョティ・クマリさんという15歳の少女です。
インドでもコビッド-19感染が止まらず、ロックダウンが延長され多くの人が職を失っているそうです。
その中の少女の父親もそうで、三輪タクシーの運転手だったが失業、さらに父親は負傷してしまいます。
少女は、負傷した父親を自転車の荷台に乗せ、首都のニューデリー近郊から東部ビハール州の故郷まで約 1,200Kmを7日間かけて搬送してきたのです。
単純計算で、少女は1日に170Km以上も走行していたことになります。
話題になっているのはその少女の親孝行、ではなく、1,200Kmも走行することができた少女の脚力なのです。
「父を後ろに乗せ7日間で走破した。耐久力という点で彼女には何かがある。ぜひ試してみたい」
としてインド自転車競技連盟会長はコメントし、自転車のインド代表の試験を受けて、選手養成所に入ってもらいたい意向を示したそうです。
ただ少女は興味が無いらしく「勉強を続けたい」と言ったらしいのですが、会長は「選手養成校でも勉強はできるよう配慮する」とかなり本気のようです。
ジョティ・クマリさん、もしかすると東京オリンピックか次のオリンピックあたりに、インド代表として出てくるかもしれませんが、出場できたら世界の話題になるでしょうね。
| 固定リンク | 0
コメント
15歳の少女が7日かけて父親を故郷に運ぶ。
その姿が目に浮かびます。
食事は飲み物はあったのだろうか。
都会は便利だが助ける手だては無いのか。
投稿: 風流人 | 2020年5月24日 (日曜日) 19:32
こんばんわ。
・「文章」を読んで。
これは、初めて知りました。
投稿: H.K | 2020年5月24日 (日曜日) 20:13
家族愛と自分を信じる力が
これだけの偉業をなしとげたのですね。
私なんざ、最初からあきらめちゃいますが、
この子は「故郷へ父とともに帰る」
を信念としてがんばったのでしょう。
人間の力には
限界はない、という一面もこの子は
証明してくれました。
投稿: へこきあねさ | 2020年5月24日 (日曜日) 21:09
風流人さんへ
単純にお金が無いから、病院より自宅で養生となったんだと思います。
H.Kさんへ
コメントありがとうございます
へこきあねささんへ
貧困とは、こういう行為を当たり前にするのかもしれません
本人は、特別に思っていない感じがします
投稿: 玉井人ひろた | 2020年5月25日 (月曜日) 07:56
凄いですねこのバイタリティー。普段から恵まれない生活をしていると、この程度は当たり前なのでしょうか?
自分だったら・・心が折れちゃうけど(汗 日本の昭和の初めぐらいの感覚でしょうか?
あの蝋梅の件ありがとうございました、分らなかったので、なんかスッキリした感じですよ(笑
投稿: JACKS | 2020年5月25日 (月曜日) 09:17
JACKSさんへ
気になることって、小さいことのほうが尾を引く気がします。
スッキリしてよかったです
投稿: 玉井人ひろた | 2020年5月25日 (月曜日) 11:39
感動しながら読ませて頂きました(*^_^*)
投稿: 吉田勝也 | 2020年5月25日 (月曜日) 15:16
吉田勝也さんへ
家族の在り方を考えさせますね
投稿: 玉井人ひろた | 2020年5月25日 (月曜日) 17:25
日本人は普段、家族意識が低いですからね。
何かあれば強まりますが・・・
投稿: もうぞう | 2020年5月27日 (水曜日) 07:11
もうぞうさんへ
形は違いますが、日本人も負けてはいないと思います
投稿: 玉井人ひろた | 2020年5月27日 (水曜日) 07:55