恨みまで、心に余地が無い
昨年の7月18日、京都市伏見区にあるアニメ制作会社「京都アニメーション(以下、京アニ)」第1スタジオが放火され、男女35人が死亡させた男が、退院し逮捕の運びになりました。
その中で犠牲になった一人の津田幸恵(41)さん、その父親の伸一さん(69)が長女を焼死させた犯人に対し「恨みはありませんか?」などの質問がテレビリポーターから問われて、答えたその言葉が心に残りました。
内容はだいたいこんなものでした
「犯人への恨みですか? そなのはありません。」
「娘が死んだという悲しみと、娘がいなくなったという寂しさ、それだけで(頭の中は)十分です。」
「悲しみだけでいっぱいなのに、さらに「恨み」なんか考えたら、頭が変になってしまいます。」
殺された遺族へのテレビ局による(無神経な)インタビューというのは、視聴する私たちもそうですが、遺族のやりきれない犯人への憤り、怒り、恨みの言葉をどこかで期待しているものです。
ところが「悲しみでいっぱいいっぱい(限界ギリギリ)で、恨む気持ちまでもつ余裕がない」というような言葉と言うのは、わたしには本当に斬新なコメントでした。
兵庫県加古川市郊外にある自宅前で、そう答えた父親の顔は、悲しいような、はにかむような、あの複雑な表情はその悲しみの言葉をさらに印象付けました。
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コメント
紋切り型の取材方針しか思いつかないキャップ。これでは進歩がありません。メディアに福沢諭吉クラスの指導者が必要ですね
投稿: ましま | 2020年5月30日 (土曜日) 17:50
ましまさんへ
現実主義者の福沢諭吉なら、取材そのものをやらないかもしれませんね
投稿: 玉井人ひろた | 2020年5月30日 (土曜日) 18:17
このお父様、もしかして男だから冷静に
悲しみだけで「恨みはない」といったのかもしれません。「恨んだところで娘がかえってくるわけではない」という
冷静なブレーンがそういわせたのかもしれません。
私だったら感情むき出しに
「あんな奴は死刑だ」、「娘をかえせ」と
叫んで 記者たちをおっぱらったことでしょう。
投稿: へこきあねさ | 2020年5月30日 (土曜日) 20:51
へこきあねささんへ
わたしには、全くそういうふうには見えませんでした。
純粋に「恨みまで頭が回せない」と感じました。
投稿: 玉井人ひろた | 2020年5月30日 (土曜日) 21:42
こんばんわ。
・「文章」を読んで。
改めて、亡くなった被害者の遺族の気持ち、本当にやるせないですし、切ないですね。
投稿: H.K | 2020年5月30日 (土曜日) 22:14
H.Kさんへ
同感です
投稿: 玉井人ひろた | 2020年5月30日 (土曜日) 22:57
TV見ました。
少しでも犯人に気をとられたくないとうい、意識でしょうか。
犯人はそれも見越しているのか。
人間は憎しみだけでは生きられない。耐えて行くしかない。
投稿: 風流人 | 2020年5月30日 (土曜日) 23:40
風流人さんへ
驚きの言葉でしたよね
投稿: 玉井人ひろた | 2020年5月31日 (日曜日) 08:00