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2020年5月30日 (土曜日)

恨みまで、心に余地が無い

昨年の7月18日、京都市伏見区にあるアニメ制作会社「京都アニメーション(以下、京アニ)」第1スタジオが放火され、男女35人が死亡させた男が、退院し逮捕の運びになりました。

その中で犠牲になった一人の津田幸恵(41)さん、その父親の伸一さん(69)が長女を焼死させた犯人に対し「恨みはありませんか?」などの質問がテレビリポーターから問われて、答えたその言葉が心に残りました。

内容はだいたいこんなものでした

犯人への恨みですか? そなのはありません。」

「娘が死んだという悲しみと、娘がいなくなったという寂しさ、それだけで(頭の中は)十分です。」

「悲しみだけでいっぱいなのに、さらに「恨み」なんか考えたら、頭が変になってしまいます。」

殺された遺族へのテレビ局による(無神経な)インタビューというのは、視聴する私たちもそうですが、遺族のやりきれない犯人への憤り、怒り、恨みの言葉をどこかで期待しているものです。

ところが「悲しみでいっぱいいっぱい(限界ギリギリ)で、恨む気持ちまでもつ余裕がない」というような言葉と言うのは、わたしには本当に斬新なコメントでした。

兵庫県加古川市郊外にある自宅前で、そう答えた父親の顔は、悲しいような、はにかむような、あの複雑な表情はその悲しみの言葉をさらに印象付けました。

 

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コメント

紋切り型の取材方針しか思いつかないキャップ。これでは進歩がありません。メディアに福沢諭吉クラスの指導者が必要ですね

投稿: ましま | 2020年5月30日 (土曜日) 17:50

ましまさんへ

現実主義者の福沢諭吉なら、取材そのものをやらないかもしれませんね

投稿: 玉井人ひろた | 2020年5月30日 (土曜日) 18:17

このお父様、もしかして男だから冷静に
悲しみだけで「恨みはない」といったのかもしれません。「恨んだところで娘がかえってくるわけではない」という
冷静なブレーンがそういわせたのかもしれません。
私だったら感情むき出しに
「あんな奴は死刑だ」、「娘をかえせ」と
叫んで 記者たちをおっぱらったことでしょう。

投稿: へこきあねさ | 2020年5月30日 (土曜日) 20:51

へこきあねささんへ

わたしには、全くそういうふうには見えませんでした。
純粋に「恨みまで頭が回せない」と感じました。

投稿: 玉井人ひろた | 2020年5月30日 (土曜日) 21:42

こんばんわ。
・「文章」を読んで。
改めて、亡くなった被害者の遺族の気持ち、本当にやるせないですし、切ないですね。

投稿: H.K | 2020年5月30日 (土曜日) 22:14

H.Kさんへ

同感です

投稿: 玉井人ひろた | 2020年5月30日 (土曜日) 22:57

TV見ました。
少しでも犯人に気をとられたくないとうい、意識でしょうか。
犯人はそれも見越しているのか。
人間は憎しみだけでは生きられない。耐えて行くしかない。

投稿: 風流人 | 2020年5月30日 (土曜日) 23:40

風流人さんへ

驚きの言葉でしたよね

投稿: 玉井人ひろた | 2020年5月31日 (日曜日) 08:00

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