大英艦隊が、来日・・?
来年春、あの世界に名高きイギリス海軍が誇る最新鋭空母「クイーン・エリザベス」を中核とする大英艦隊が、沖縄県などの極東アジア諸島周辺に派遣され計画があることが報道されました。
さらに、同艦隊は日本国内で唯一「F35Bステルス戦闘機」を整備可能な三菱重工業の小牧南工場(愛知県)で、艦載機のF35B艦載機などを整備することなど、長期滞在させることも計画していることが12月5日に判明したようです。
イギリス政府としてのその目的などは、公式には発表されていませんが、中国軍による南シナ海の昨今の軍事行動と、香港での民主派弾圧に対する強い懸念による牽制であことは明らかです。
それよりも、西太平洋でアメリカ軍や中国・ロシア以外の軍隊の空母が継続的に活動するのは初めてだし、かの太平洋戦争以来の極めて異常事態であることは間違いないでしょう。
滞在中は在日米軍の支援を受けたり自衛隊との合同訓練もあるとみられ、露骨な圧力強化だとして中国の反発は必至でしょう。
もし、もしもこのイギリス海軍が攻撃を受けた場合、昨年までなら自衛隊は加勢できませんでしたが、安倍政権が集団的自衛権の解釈を変えて強行採決した新安保法により、現在は自衛隊は出動することになります。
コビッド-19問題とあわせ、来春から極東アジア情勢は不気味で、なんとも背筋が寒くなる思いです。
追記>
2014年7月1日、安倍政権はそれまでの政府答弁書で「『集団的自衛権』は憲法上許されない」との見解を覆し、安全保障環境の変化を理由に憲法9条の解釈変更を行い集団的自衛権の行使を容認することを閣議決定した。
これによって自衛隊は自国が攻撃を受けていなくても、他国同士の戦争に参加し同盟国を防衛するため武力行使が容認された。
1996年(平成8)にアメリカとだけ結んでいたACSA(アクサ)を、この解釈変更後に安倍政権は法整備が完成しないまま、イギリス(2017締結)、フランス(2019年締結)、カナダ(2019年締結)と次々と締結。
さらにインドなどの締結交渉が進んでいる。
ACSA(アクサ)とは「ACSA」は”Acquisition and Cross-Servicing Agreement”の略で、1996年(平成8)に日米間で締結された物品役務相互提供協定。共同訓練時・国連平和維持活動(PKO)・人道的国際救援活動に、物品・輸送などを融通しあうこと。
日米間では、武力攻撃事・武力攻撃予測事の場合のみ弾薬を提供できるが、武器は対象外とされていたが、2014年に集団的自衛権が容認されたことで、その内容は大きく変わった可能性が有る。
つまり、締結した国家とは準同盟国であると言える。
今回の、イギリス海軍の行動はこの条約締結の一環によるものである。
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コメント
イギリスと言えばフォークランド紛争でアルゼンチンと戦争した事が記憶に残ってます。
死者は両国合わせて900名に上り、紛争は一時停止している。
今回の大英艦隊の東南アジア派遣は、中国への侵出が止め度もなくなってるからだろう。
香港の100年間権利を手放したが、民衆主義が危機に落ちた。
そうして、尖閣諸島はじめ台湾やフィリピンに武力で押し寄せて来ている。
これもアメリカが混迷しているからだ。
日本は、オーストラリア、インド、東南アジア、そしてイギリスと手を取って中国から領土、領海を守らないといけない。
投稿: 風流人 | 2020年12月 6日 (日曜日) 16:13
>風流人さんへ
尖閣諸島での日本漁船による漁は、実質的に出来ない状態というのは異常です。
香港を領地していたイギリスも、人権弾圧は他人事ではないのでしょう。
しかし、艦隊がわざわざ来るというのは、イギリスの政権も混迷しているのかもしれません
投稿: 玉井人ひろた | 2020年12月 6日 (日曜日) 16:38
イギリスとは軍事同盟がなく、PKO発動には国連常任理事国である中国が拒否権を発動します。日本が直接を被害を被るような被害がなければちょっとあり得ない(できない)事態ではないでしょうか。
投稿: ましま | 2020年12月 7日 (月曜日) 15:06
>ましまさんへ
それは3年前までの話です。
日本とイギリスは2017年にACSA(準同盟国)を締結し、 翌年の2018年には日本国内で陸上自衛隊とイギリス軍が合同訓練を行っている関係なんですよ。
投稿: 玉井人ひろた | 2020年12月 7日 (月曜日) 15:47
興味を持って読ませて頂きました。
投稿: 吉田勝也 | 2020年12月 7日 (月曜日) 15:53
>吉田勝也さんへ
ありがとうございます
投稿: 玉井人ひろた | 2020年12月 7日 (月曜日) 17:24