戦闘機が投下したのは「増槽(ぞうそう)」
先月の11月30日午後6時すぎ、アメリカ軍三沢基地(青森県三沢市)所属のF16戦闘機が飛行中に燃料タンク2個を投棄し、さらに同機が青森空港に着陸して滑走路が使えなくなり、民間機8便が欠航するなどの影響が出た問題はその後の報道は少ないですね。
アメリカ軍の戦闘機は、機体トラブルなどの緊急事態には、日本語では「増槽」、英語では「ドロップタンク」と呼ばれる、いわば外付け予備タンクを投下し、着陸可能な場所に着陸することがマニュアルとして決められています。
参考ですが、「増槽」というのは日本海軍が世界で初めて考案し、ゼロ戦に装着したのが始まりで、交戦上空まで燃料を無駄遣いしないように考え出されたものでした。
緊急時の増槽投下は、できるだけ機体重量を軽くすることで炎上爆破の被害を最小限にし、パイロットと民間人を守るためのマニュアルです。
このやり方は、日本の航空自衛隊も全く同じですが、大きな違いは増槽の投下場所です。
- アメリカ軍
人家が無い場所、または人家に直撃しな場所を選び投下する
それに対し
- 自衛隊
人家が近辺に無いとしても、必ず海上に投下する。
上のように、アメリカ軍はパイロットと一般人の安全を考えていますが、
自衛隊の場合は、たとえ隊員が死亡しても致し方ないことで、民間人の犠牲を防ぐことが優先されているマニュアルとも言えます。
つまり、地元民が「飛行差し止め」の請求をしようが、最善の策を取ったアメリカ軍は日米地位協定とは無関係にすべて却下ということになる気がします。
民間飛行場の占拠についても、アメリカ国内でも同じなので完全に無視されることでしょう。
その是非は別の話として、これが「国防軍(国家の防衛軍隊)」と「自衛隊」との決定的な違いなのかもしれません。
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