「対等じゃない」ということば
感染者累計が1万人を超した福島県も、ついに‘まんえん防止’の要請の検討に入りましたが、県内にある59市町村の内で未だに感染者が「0人」のところが在ります。
①「桧枝岐村(ひのえまたむら)」(南会津郡)
②「葛尾村(かつらおむら)」(双葉郡)
③「双葉町(ふたばまち)」(双葉郡)
上記の3町村が、いまだに感染者が確認されていませんが、
その理由は・・?
①の桧枝岐村は、尾瀬国立公園内に在る500人足らずの村で、昨日も積雪2mほどになったように福島県内屈指の豪雪地帯、その豪雪が感染の防壁になっているかのようです。
②の葛尾村は、東京電力福島第1原発事故に伴う全町村避難が解除になってそれほど経っておらず、人口が以前の3割程度に減少したことが理由でしょう。
そして③の双葉町、ここは未だに避難指示解除になっておらず、住民が居ませんので感染者も出ないというわけです。
ところがその双葉町が早ければ6月をめどの避難解除に向け、昨日の20日から準備宿泊が始まりました。
双葉町によれば、17日時点で7世帯11人が参加を申し込んでおられたそうで、その中の一人で「谷津田陽一さん」(70)というかたのインタビュー報道がテレビで何度も報道されました。
谷津田さんは、元プロの競輪選手で引退後は双葉町の自宅でプロの競輪選手の育成の仕事をしていた方です。
テレビでは、荒れたトレーニング場に飾られた初タイトルで表彰される写真が飾られていました。
初優勝で、満面の笑みの谷津田さん、敗れて2位になって複雑な顔で並ぶのは、あの世界の「中野浩一さん」(67)でした。
震災と原発事故から10年10カ月、他の町民と同じく谷津田さんも避難先を何度も、何度も替わったそうです。
その谷津田さんが、避難生活で思ったことが印象に残りました。
「移動する避難先では、皆さんが親切にしてくださいました。」
「そのたびに、ありがとうございます、ありがとうございますと何度も頭を下げるんです」
「(受け入れ先の方々とは)対等じゃないんですよ」
「わたしは、双葉に戻り住みこれからここがどうなっていくのか、ここで見届けます」
避難者を受け入れる側と避難者の関係は対等じゃないということば、いろいろな思いが込められたことばだと感じ、ハッとさせられました。
各地で起きた自然災害や火さいなどで避難を余儀なくされた方、多くのかたの訴えのような気がしました。
災害列島の日本国に住む限り、対岸の火事ではないことです。次は我が身です。
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コメント
確かにねぇ、SDGsをやんやいわれているけど、この中での「平等」という言葉は「性」だけでなく、多様な差別をなくそう、というキャンペーンでもあるのですが、なかなかむずかしいです。
投稿: へこきあねさ | 2022年1月21日 17:11
>へこきあねさんへ
私の考えとして、SDGsとは平等ではなく理解する活動だと思っていますが、ちがいますかね
投稿: 玉ヰひろた | 2022年1月21日 19:12