戦争中の略奪と戦利品の違いはあるのか?
5月6日発表の、国連食糧農業機関(FAO)の当局者によれば、ロシア軍侵略によってウクライナでは約2500万トンの穀物が輸出できない状態になっているとのことです。
原因は、ウクライナの主要積み出し港である南部オデッサなど黒海の港とそこへのルートが、ロシア軍の攻撃により破壊などが大きな要因となっています。
この数量がどのくらいなものかというと、日本国内で収穫される年間収穫量が約756万トンですから、約3年分を越える莫大な量になります。
さらに、その収穫できない穀物をねらってロシア軍が略奪しているというのです。
その数量は70万トンに達する可能性が有るようです。
さらにロシア軍は、無人になった農家から農業資材やトラックを盗み出し、ロシア国内に運びだしているようなのです。
そして、空になった穀物の貯蔵施設は破壊していくというのですから武装した窃盗団そのものです。
ところが、ロシア軍兵士は「戦利品」と考え、当たり前の行為と思っていることでしょう。
では、「戦利品」と「略奪」とには、どんな違いがあるのでしょう?
- <戦利品>
戦争中に、敵国から奪って自国の所有に移した動産。
国際法上、敵国の国有財産に限定される。 - <略奪>
力ずくで物や人を奪い取ること。ぶんどること。暴力で自分のものとすること。
戦で勝ったものが敵側の物(人)を分捕る「戦利品=略奪」というのは昔のことで、現在は上記のように国際法で明確な違いがなされていました。
つまり、ロシア兵が個人の所有物や物品を持ち去っている行為は、戦利品ではなく「窃盗・略奪」ということです。
ただ、そいう国際法が守られないのが戦争であり、生死の境で戦う者(兵士)にそのような法律が守られることのほうが難しいと思います。
それが、戦争の最も恐ろしいところです。
| 固定リンク | 2
コメント
これは難しい線引きになりますね、いくら国際法で決っていても守る気が無いのですから。ましてや戦場では命を懸けていますからね、ほぼ全員が狂気の中での結果でしょう。
戦火の中に身をおかない人達の様に、正常な判断は出来ないと思います。
投稿: JACKS | 2022年5月 8日 (日曜日) 08:53
>JACKSさんへ
仰る通りだと思います。それでも、守らせるのが政治家(シビリアンコントロール)だと感じます。
投稿: 玉ヰひろた | 2022年5月 8日 (日曜日) 09:00
そうそう、そのシビリアンコントロールが効かなくなっているところがロシアをやみくもにさせている部分かもしれません。
強烈なプロバガンダで「ナチスとの闘い」と信じるポピュリズム。
戦前の日本もそうだったのでしょうか?
言論の自由が世界71位。 空恐ろしい( *´艸`)
投稿: へこきあねさ | 2022年5月 8日 (日曜日) 09:30
こんにちわ。
・「文章」を読んで。
これは初めて聞きました。
投稿: H.K | 2022年5月 8日 (日曜日) 13:23
>へこきあねさんへ
安倍政権の時に、日本政府の評価が急激に悪くなったことは確かです
>H.Kさんへ
テレビでもやっていましたが、ご覧になりませんでしたかね。
投稿: 玉ヰひろた | 2022年5月 8日 (日曜日) 17:11