改正少年法で検察は実名公表したが・・
今年2月のこと、福島県塙町(はなわまち)の民家で、無職女性=当時(75)が、その孫で矢祭町(やまつりまち)に住む建築板金業の19歳の男に頭などを鉄パイプで10数回殴られて殺害され、殺した祖母から奪ったキャッシュカードで300万円を引き出すという残虐な事件が発生しました。
福島県に在る「地検郡山支部」は、5月18日にこの事件を「強盗殺人と住居侵入、窃盗の罪」で孫を起訴し、同時にこの19歳の孫が今年4月1日施行(2021年5月21日成立)の改正少年法が定める「特定少年」にあたると規定し、10代ではありますが一般犯罪者と同じく氏名を公表しました。
「特定少年」とは、社会的に見て重罪である認められた18歳と19歳にのことで、少年保護法が適用されず一般犯罪者と同じく扱われるもので氏名公表もその一環。
ただ、その氏名公表の線引きは実は曖昧で、検察官の判断に任せられています。
実際に、同じく5月初めに県内の「地検いわき支部」は6人の男女を死傷させたとして、自動車運転処罰法違反(過失運転致死傷)の罪で同市の専門学校生の男(19)を起訴しましたが、氏名の公表はしませんでした。
この記事を掲載した地元紙は、初めは検察の実名報道をそのまま掲載しのですが、そのときに県内からのそれに対して
- まだ若く、更生の道を阻むから実名は良くない
- 身内同士の事件だから、名は出さないほうが良いのではないか
などの、新聞による実名公表に反対意見が多く寄せられたようです。
そのため、今日の朝刊では実名を伏せ、県内でのアンケート結果などを記事にしました。
- 実名公表に賛成が約70%
- 実名公表に反対・わからないが約30%
新聞社としての意見は判りますが、法律が改正施行されそれに則って検察が発表したのなら、報道機関としてはそのまま掲載すればよいのではないでしょうかね(?)
鉄パイプで、滅多打ちにして殺して金銭を奪ったのですから、実名公開は致し方ないでしょう。
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コメント
難しい問題ですね。
投稿: 吉田勝也 | 2022年5月20日 (金曜日) 13:14
>吉田勝也さんへ
法と感情との問題は、いろいろありますね
投稿: 玉ヰひろた | 2022年5月20日 (金曜日) 17:35