災害の‘伝承’
今朝のNHKの特集報道は、2018年の7月に発生した「西日本豪雨」(気象庁=平成30年豪雨)のことでした。
岡山県倉敷市に住むアマチュアカメラマンの男性が、その災害の時に撮った写真展を紹介していました。
そして、その男性が被災後に発見したという石碑が紹介されました。
石碑は、決壊した河川敷の近くに草に隠れるように立っていました。
その石碑には「33人の溺死者の碑」など記載され、日付けは明治13年(1880)とありました。
- 明治13年(1880)7月1に発生した豪雨により岡山県各地の河川が氾濫する水害が発生。
旧下道郡有井村(現在の倉敷市真備有井)では特に被害が多く、33人にもの溺死者が出た。
個の被害と教訓を伝えようと、先人たちが建立したのがその石碑(高さ1.5mほどの石柱)だったのです。
ところが、140年以上も過ぎるうちに、地元の人でさえその石碑の存在をほとんどの人が知られなくなってしまったそうなのです。
写真展を企画した男性は、石碑を見ながらリポーターに言います。
「先人は伝承としたのに我々は「承」をやらなかった。
つまり、先人は災害を伝えたのに私たちは「承(う)けることをやらなかったのです」
何気ない言葉でしたが、印象に残る言葉でした。
東日本大震災で起こった大津波、震災後に先人が残した多くの津波のすさまじさの記録やそれを暗示する建物が確認発見されました。
今現在起こっている災害や戦争や病、その伝承は後世に残り役に立つのでしょうか?
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」が人の性、何を伝えても同じ過ちを繰り返していくんだろうなと思って視ていました。
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