悪魔の時系列、原爆目標の町
忌まわしき世界初の原爆使用が行われることになる、1945年(昭和20)米軍の日本への原爆投下計画(マンハッタン計画)では、多くの地域がその目標になっていたことを知っているでしょうか?
1945年(昭和20年)の時系列で表すとゾッとします。
投下目標の主な条件は「軍事拠点が在ること」、「空爆などが少なく多くの住宅が在ること」、「捕虜収容所が無いこと」です。
【 原爆投下を検討するため選定した地域の推移 】
4月> 16の地域が選定される
- 東京湾、川崎市、横浜市(関東)
- 名古屋市、大阪市、神戸市、京都市(関西)
- 広島市、呉 市、下関市、山口市(中国)
- 八幡市、小倉市、熊本市、福岡市、長崎市、佐世保市(九州)
5月> 3っの市に目標が絞られる
- 京都市、
- 広島市、
- 新潟市
6月> 目標の内で京都市が小倉市(福岡県)に変更される
- 小倉市(現北九州市小倉区)
- 広島市
- 新潟市
7月20日>福島県福島市渡利で、原爆模擬弾投下実験が行われる
- 20日:この実験で通学中の子供1名犠牲になる
7月26日> 下記の4市に原爆投下命令出る
- 広島市、
- 小倉市、
- 新潟市、
- 長崎市
7月31日> 広島 を最優先の目標として決定
※広島には捕虜収容所が無かったのがその理由
8月1日> 目標から新潟が除外される。
8月2日> 攻撃日を「8月6日」と決定する。
- 第一目標=広島市
- 第二目標=小倉市
- 第三目標=長崎市
※長崎には捕虜収容所があり反対の意見もあった
8月6日> 第一目標の広島市に原爆投下
同じころ> 第二目標の小倉市の上空に近づくも、日本軍の防空攻撃が激しく原爆投下を断念・変更する。
8月9日> 第三目標の長崎市に原爆投下
※8月9日> 未明にソ連軍が日本への侵攻を開始。
尚、この侵攻の計画は、ソ連から米英に対し2月に知らされていた。日本政府も5月には察知していたが、その情報は軽視された
アメリカが、原爆投下の目標を日本にした理由には、もし不発などで原爆が回収されても、日本にはそれを参考にして原爆を開発する能力は無く、さらにすでに報復攻撃の力は全くないと判断されていたからのようです。
ところが、日本政府では原爆が投下されても戦意が落ちない軍閣僚と、停戦を考える閣僚らとの意見が対立し降伏どころの話では無くなっていました。
アメリカにはすでに原爆は無くなっていましたが、第三の原爆投下を8月15日に決断寸前になっていたようです。
その後は、我々が知る日本史です。
その8月9日が、またやってきます。
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コメント
こんばんわ。
・「文章」を読んで。
まさか、こんな事が有ったなんて、全然知りませんでした。
投稿: H.K | 2022年8月 7日 18:29
>H.Kさんへ
あったんですよね
投稿: 玉ヰひろた | 2022年8月 7日 18:33
こんな順列がひそかに練られていた、という事実はメディアなどでも放送されていました。
そして、敵国のドイツやイタリアではなく、日本を選んだというのも、白色人種でないから、というのも選別の一端にあったようです。
投稿: へこきあねさ | 2022年8月 7日 19:45
>へこきあねさんへ
人種的にも、地理的にも、対ソ連的にも日本は条件を満たしていたようですから、一石二鳥だったようです
投稿: 玉ヰひろた | 2022年8月 7日 20:02