田中絹代の映画が欧米などで大反響
「田中絹代」といえば1977年(昭和52)68歳で他界していますので、その全盛のころは私の親の時代になりますが、私でもその名を知っている昭和を代表する美人の大女優の一人です。
田中絹代さんは女優業だけではなく、多くの映画も監督制作していたことを知っている人は多くない気がします。
私は、まったく知りませんでした。
その田中絹代さんが監督制作した映画が、他界して40年以上もたった今になって世界の名だたる映画祭で上映され、感動を呼び話題になっているというのです。
映画はもちろん白黒のもので、特に評価されているのが「乳房よ永遠なれ」(制作上映:1955年(昭和30)日活映画)だそうで、国内でも上映が始まっているようです。
ヒロイン役は「月丘夢路さん」で、その一世一代の名演も注目されているようです。
この映画は、歌集『乳房喪失』で知られる歌人・中城ふみ子氏(1954年に逝去)の伝記を映画かしたもので、職を持つヒロインが愛憎や裏切りそして乳がんによる乳房を無くし若くして死んでいくという、一人の女性の一生の勁さを表現しているもののようです。
その内容や描写は、女性監督にしか表現できなかった衝撃の映画のようでこの映画を視た女性は国籍や年代を問わずリアルさ生々しさに衝撃を受けているようです。
半世紀以上前と現代と比べても女性の立場というものは変わっていないことが共感を呼んでいるのかもしれません。
つまり、この映画は古くて新しい映画なのかもしれません。
田中絹代さん監督の映画を、いったいどこの国の誰が掘り出したのでしょう。
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コメント
今でもこの映画の全編を見ることができますね。
全然知りませんでした。
女性のリアルな生きざまを女性の細やかな視点で描いた作品、戦後初の女性監督作品としても貴重な映画。
結婚や性がまだまだ男性の立場からしか見られなかった時代、稀有な映画です。「世界」はここに注目したのでしょうか?
投稿: へこきあねさ | 2023年1月28日 (土曜日) 10:41
>へこきあねさんへ
「乳がん」というのも、注目点になっているようです
投稿: 玉ヰひろた | 2023年1月28日 (土曜日) 15:37