三春町のひき逃げが無期懲役に減刑
2020年5月31日朝、福島県の三春町(みはるまち)の国道288号線で、清掃活動のボランティアをしていた同町の会長だった男性=当時(55)と女性=同(52)の2人を、盗んだ小型トラックを50代の男が無免許で時速60~70キロ運転しはねて殺害しそのまま逃走するという事が発生しました。
後に本籍伊達市住所不定で無職の盛藤吉高(もりとう よしたか)被告(53)が逮捕され、その動機は「もう一度刑務所に戻りたかったので事故を起こした」という身勝手なことが明らかになりました。
森藤被告は殺人罪などに問われ、2021年6月の一審の裁判員裁判の判決は「極めて悪質で動機に酌量の余地はなく、刑事責任は誠に重い」などとして、検察の求刑通り死刑という判決が出されました。
この死刑判決に、被告側は「殺意は無かった。死刑には当たらない」として控訴。
そして今月の2月16日に控訴審判決公判が仙台高裁で開かれ、
深沢茂之裁判長は「極刑がやむを得ないとまでは言えない」とし、死刑とした一審地裁郡山支部の裁判員裁判判決を破棄して、無期懲役が言い渡されました。
仙台高裁の深沢裁判長の判決理由は、
「刑務所に戻りたいなどの身勝手で自己中心的な動機から無差別に被害者2人を殺害するなど極めて悪質であり、人命軽視の度合いは大きく、社会に与える影響も重大」などと一審での殺意を認定しつつも、「誠にやむを得ない場合に行われる究極の刑罰で、慎重に行われなければならない」と説明したうえで、
被告人は今後への不安から自棄的になって及んだ犯行の動機や計画性などを下記のように踏まえ
- 他人の生命を侵害すること自体から利益を得ようとしたわけではない
- 犯行に場当たり的な面がある
- 被害者2人が死亡する危険性が極めて高いが、殺害の意欲までは認められない
『生命軽視の態度や姿勢は明らかだが、甚だしく(殺意が)顕著とまでは言い難く過去の判例からも、死刑となった事件に匹敵するとまでは言えない』
と結論付け、無期懲役が相当とする判決が言い渡されたようです。
ただ、裁判員裁判で出された死刑判決が二審で破棄されたのは、福島県はもとより東北6県では初めての判決になり
「裁判員制度の意義が無くなるのではないか?」という話にまで至ることになりました。
推測するに、仙台高裁の裁判長は「死刑廃止論者」の一人じゃないか?最初から無期懲役前提で審査されたのではないか?と感じてしまいました。
一審の死刑判決を出した裁判員の方々の葛藤は想像ができませんが、その犯行の身勝手で残忍さは死刑の結論に至ったことは当然のことに感じます。
最初から人をひくことを目的に、トラックで猛スピードで無関係の人を死亡に至らしめたのは「通り魔殺人」「無差別殺人」と何ら変わらないと思います。
ご遺族の心中を察すれば、被告をかばっただけの判決としか思えないでしょう。
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コメント
こんばんわ。
・「文章」を読んで。
この話題は、「新聞・テレビ」で見ました。
死刑のはずが、無期懲役とは、まさに強い遺憾の意を感じますね。
投稿: H.K | 2023年2月18日 23:12
>H.Kさんへ
ご遺族の方々の心中は穏やかではないでしょうね
投稿: 玉ヰひろた | 2023年2月20日 14:24