すっかり悪者のニセアカシア
福島県郡山市の「文化・学び振興公社」と「野鳥の会郡山支部」は、同市の五百渕公園で広く分している外来種樹木の「ニセアカシア」を撲滅する作戦に取り組んでいます。
ニセアカシアは同公園に数十年前から繁殖しており、その強い生命力で分布範囲を拡大し在来種の成長を妨げているため、同市が「里山再生事業」の取り組みとして、昨年から公園内の森林部分約6ヘクタールのうち、約半分で間伐などを行っていているそうです。
関係者によると、その強い生命力に対し薬を使わず切り株を腐らせる方法として、カワラタケを使用した実験的な取り組みも開始したようです。
わたしもニセアカシアの生命力のすごさは里山で目の当たりしていますので、関係者の方々の苦労が実感できます。
ただ、昨今は「偽アカシア」などと言われるようになりましたが、以前まではこれが本来のアカシアで、その可憐な白い花は「歌=アカシアの雨」や「アカシアはちみつ」などの基となり親しまれてきていますが、現在はどう扱われているのでしょうか?
これは植物学者などが輸入する際に間違って「針槐(はりえんじゅ=和名)」という樹木に「アカシア」と名前を付けてしまったことに起因します。
以前にも記しましたが、その「ミモザ」は、「ネムノキ」の学名「Mimosa pudica」からきているらしく、またまた名称が間違って定着してしまっています。
ただ黄色い花が咲く樹木を日本では「ミモザ」という名称で呼ばれていますが、これはヨーロッパなどが「フサアカシア」ことです。
これも名称はどうなるのでしょうか?
<ミモザについての追記>
山桜さんからコメントをいただき、ミモザについての追記をさせていただきます。
・ミモザという植物は本来存在せず、
アカシヤ(マメ科ネムノキ亜目オジギソウ属)の仲間の総称になります。・オーストラリアやアフリカで「ミモザ」-「ミモザアカシア」と呼ばれているのは、
赤いポンポンのような花が咲く「ねむの木」のこと・イタリアなどヨーロッパで「ミモザ」-「ミモザアカシア」と呼ばれているのは、
黄色い花が咲く「フサアカシア」、または「ギンヨウアカシア」のこと。
いずれにしても、日本人がアカシアと思い込んでいたのは、北米 原産の マメ科ハリエンジュ属 の「ハリエンジュ」でありアカシアではないということです。
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コメント
大まかには知っていましたが、これだけ詳しいことは知りませんでした。
ちなみに今や有名になったニッコウキスゲの本名はゼンテイカでしたね。
投稿: もうぞう | 2023年7月 7日 19:17
>もうぞうさんへ
我が家の周りには、その仲間のノカンゾウが咲き始めました
投稿: 玉ヰひろた | 2023年7月 7日 21:48
ミモザは、本来オジギソウの学名で、ミモザ・アカシアの名は、オジギソウに似た丸い花の咲くアカシアの意味だったのが、略してミモザと呼ばれるようになり・・・色々混乱していますね。
現在、ハリギリはセンノキの別名ですが、アカシアと呼ばれていたとは知りませんでした。
投稿: 山桜 | 2023年7月 8日 19:48
>山桜さんへ
ご指摘ありがとうございます。またまた、私の誤記憶で「ハリエンジュ」でございました。
投稿: 玉ヰひろた | 2023年7月 9日 08:31