「長崎の鐘」にちなむ幻の曲「新しき朝の」
「長崎の鐘」という歌は、昭和20年(1945)年8月9日の長崎への原爆投下により、最愛の妻を亡くし自らも被ばくし白血病になり2人の子供と粗末な家に住み、病床のなかで永井隆長崎医大医学博士が書いた随筆「長崎の鐘」を基にして出来上がった曲です。
博士の随筆を基に作詞したのが作詞家のサトウハチローさん、それに福島市出身の作曲家小関裕而さんが曲を作り、歌手の藤山一郎さんが歌って、昭和24年(1949)にレコードが発売され大ヒットし現在も歌い継がれている名曲です。
この歌を聞いた永井博士は、その素晴らしいさに感激し短歌を添えて古関さんや藤山さんに感謝の手紙を送ったそうです。
その感謝を込めた永井博士の短歌がこれです↓
「新しき 朝の光の さしそむる あれ野にひびけ 長崎の鐘」
この短歌に感動した歌手の藤山一郎さんは、独自の曲をつけてテレビなどで歌っていたそうです。
ところが、レコード発売から45年後の平成6年(1994)、福島市の「古関裕而記念館」に残されていた資料の中に古関さんがこの短歌「新しき朝の」に曲を書いた楽譜が見つかったのです。
11月6日、東京都で開かれるイベント「復興の軌跡とこの先の挑戦」でこの曲が、古関裕而さんの代表曲「長崎の鐘」にちなむ“幻”のメロディー「新しき朝の」として、声楽家田中俊太郎さんの歌で初めて披露されるそうです。
ここで疑問なのは、「なぜ小関裕而さんはこの曲を発表しなかったか?」です。
「小関裕而記念館」の学芸員の本間真美さんは、「古関さんは(先に曲を付けて歌っていた)藤山一郎さんに遠慮し、自分の作品を表に出さなかったのではないか(?)」と推察しているそうですがたぶん当たっていると思いますね。
どんな曲なのかは楽しみですが、それにしても悲しくも希望に満ちた素晴らしい短歌です。
自然に湧き出た思いの短歌は、ほんとうに感動しかないです
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コメント
こんばんわ。
・「文章」を読んで。
良い短歌ですね。
投稿: H.K | 2023年10月15日 (日曜日) 19:25
>H.Kさんへ
ほんとにいいですよね
投稿: 玉ヰひろた | 2023年10月16日 (月曜日) 08:22
俳句は短い17文字で表現する為に、何だか約束事が煩くて最近窮屈に感じて来ました。短歌の方が思ったままに大らかに歌えて良い感じです。古関さんがどんな曲をつけていらしたのか楽しみですね。
投稿: 山桜 | 2023年10月16日 (月曜日) 19:09
>山桜さんへ
どんな曲なんでしょうね
投稿: 玉ヰひろた | 2023年10月16日 (月曜日) 20:01