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2023年11月16日 (木曜日)

会津とベートーベンの「第九」

大一次世界大戦中、旧会津藩士の長男として生まれた松江豊寿氏(後の第9代会津若松市長)は徳島県鳴門市の板東俘虜(ふりょ)収容所長を務めていましたが、その時に敵だったドイツ人捕虜を、上層部の反対意見を聞かず人道的に振る舞いでドイツ人にパンを焼かしたり、近くの人たちとの交流までさせました。

その行為は今では当たり前ですが当時は考えにくく、解放される際に松江豊久氏に待遇の感謝をこめてドイツジョン捕虜たちがベートーベンの第九合唱を贈りました。

これが、日本で第九が歌われるようになった切っ掛けとされています。

その感謝の第九の初演から100年めに合わせ、会津若松市の會津風雅堂前に松江豊寿氏の記念碑が実行委員会によって2018(平30)年秋に建立されました。

余談ですが、松江氏の実弟の松江春治氏は「角砂糖」の生みの親で『砂糖王(シュガーキング)』として、豊寿氏より早い1934年(昭和9年)8月 、同市に銅像が建立されています。

今年は建立から5年目の筋目として11月15日に、献花祭に来賓で招かれたドイツのクリスチャン・ウルフ元大統領が訪れ

「(松江豊寿が)当時、戦争相手だったドイツの捕虜を人道的に扱った。その姿勢は今の時代とって大切だ」

というあいさつを行い、市内の大塚山墓園にある松江家の墓も訪れたそうです。

同時に人類愛にあふれた松江氏の功績を振り返り、平和の尊さを次世代に伝え続けると誓ったそうです。

ウクライナにイスラエルのガザ地区、アフリカの各地で今も続く戦争に『人道的な扱い』は行われるはずもないことが映像として見られる現代に松江豊寿氏はあの世から何を思うのでしょうか?

と、毎年思うこの頃です

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コメント

私も絵本でこのことを知りました。
ほんとに、各地であいつぐ戦闘。
バイデン大統領もイスラエルに大きな援助、それに日本は追随するような姿勢。
残念でなりません。

投稿: へこきあねさ | 2023年11月17日 (金曜日) 07:19

>へこきあねさんへ

無くならないのが、戦争と飢餓と貧富差と差別ですね

投稿: 玉ヰひろた | 2023年11月17日 (金曜日) 08:34

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