会津はオタネニンジンで地域活性
昔も今も、その薬効と値段の高さでも知名度が高い薬剤と言えば、何と言っても朝鮮人参(高麗人参)断トツでしょう。
その名の通り産地として名高いのは朝鮮半島ですが、日本国内でも「オタネニンジン」という名称で栽培されています。
これはあまりにも高価なため、江戸幕府が全国各地に種を支給し国内生産を奨励したからですが、そのときの「お上からの御種(おんたね)の人参」ということから、国内では「オタネニンジン(御種人参)」という呼び方になったとされます。
ただこのオタネニンジンは、植え付けてから収穫販売できるまでに6~7年の歳月を要する(土づくりからだと9年余り)難しい植物のため栽培地は減り続け、今では「島根県」「長野県」そして我が福島県が三大産地となっているようです。
福島県の栽培地は会津美里町新鶴地区(旧新鶴村)で、その栽培の歴史は古く会津藩第二代藩主保科正経(ほしなまさつね)の代に民の暮らしと健康の為として始まり、1684~1687年(貞享年間)第三代藩主の保科正容(ほしなまさかた)の時「御薬園」を開き栽培が本格化します。(初代会津藩主は、徳川家光の異母兄弟の保科正之)
さらに、1803年(享和3年)五代藩主の保科頌(かたのぶ)の時代の、家老田中玄宰が出雲の国(島根県)から大量の人参種を買い入れ、会津一円に広く作付けを奨励、やがて人参奉行所が設置され会津の人参は「会津和人参」として、国内で初めて清の国(現在の中国)に輸出されるようにまでになります。
ところが、長い年月と手間がかかるオタネニンジン栽培は、高齢化と過疎化さらにコロナウイルスなどによって生産が激減してしまいました。
そこで会津美里町は、町の活性化の為にオタネニンジンの栽培、そして販売力などを強化する計画を始めることにしたようです。
薬の行商というのは富山が有名ですが、実は会津地方も昔から行商が行われていました。
今回もまた、福島県内でいろいろと話題が存在するのは、やはり会津なんだなと思い知らされた気がします。
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コメント
こんばんは。
・「文章」を読んで。
これは、初めて知りました。
投稿: H.K | 2024年2月18日 20:35
びっくりをしました。日本でもね。
さすが知識人ですね。生育に時間が掛かるのは、高麗人参と一緒ですね。
投稿: ひで | 2024年2月18日 21:28
>H.Kさんへ
覚えていただきたい産業です
>ひでさんへ
高麗人参と同じもののようです。それにしても時間がかかりますね
投稿: 玉ヰひろた | 2024年2月19日 09:19
本家と言うべき朝鮮は生産していないのでしょうかね?
投稿: もうぞう | 2024年2月19日 16:30
>もうぞうさんへ
沢山栽培していると思いますよ
投稿: 玉ヰひろた | 2024年2月19日 19:57