福島県の大熊町、双葉町に設けられた東京電力の福島第1原発事故に伴う除染土壌の中間貯蔵施設は、あと21年後には最終処分場へ移動されることが政府によって定められた計画ですがまだその最終の候補地すら決まっていません。
今からちょうど1年前の2023年3月のこと、本州最北部の下北半島に位置する人口約1600人の漁師町の青森県風間浦村の村議会一般質問で、「除染土壌を再生利用する環境省の実証事業の誘致を検討している」と冨岡宏村長が村議会で見解を示し、処分場事業の誘致検討していることを表明し全国から注目を集めました。
しかし、村民からは激しい反対の声が相次いだため、冨岡村長はその後は実証事業について公の場では口を閉ざし続けているそうです。
風間村は財政需要に占める収入の割合を示す財政力指数は0.10で、青森県内の40市町村で最下位に位置する村だそうです。
そのため、村道は道幅が狭く未舗装箇所が多いが改修には至っていないし、築85年以上の村役場庁舎を高台に移転する計画も進んでいないそうです。
それに比べ同じ下北半島にある六ケ所村などでは国から年間2億~20億円に上る「原発マネー」降りるわけですから、処分場検討は同じく一気に村の財政を好転させるものなのです。
賛否は別にして、起死回生で村財政を潤す策として富岡村長がそれを計画した思いは解ります。
思えば福島第一原発が在る大熊町・双葉町・富岡町・浪江町の双葉郡の町長たちも全く同じ考え「町は産業が無く財政が苦しい。」「雇用を増やし町民の出稼ぎを減らしたい」と起死回生の策として原発誘致を決断した背景があります。
結局は、電力を使用している関東圏には決まらず、この問題も産業も無く財政の厳しい自治体に処分場は決まっていくことでしょう。
最近のコメント