「訓令式ローマ字」が廃止?!
ローマ字のつづり方について、戦後GHQの推奨で原則として「訓令式」を用いるよう示した内閣告示が約70年ぶりに改定される見通しになったことが、文化審議会国語分科会の国語課題小委員会によって2月15日に発表されました。
理由は、学校の教科書で教える「訓令式」より英語のつづりに近い「ヘボン式」のローマ字が一般に浸透している実態に合わせるためだそうです。
そもそもローマ字とは、文字通りローマで使われていた文字(ローマ・アルファベット)という意味で、日本に来訪したポルトガル人などのヨーロッパ人が使っていたものです。
それが幕末に来日した米国長老派教会の医療伝道宣教師・医師のジェームス・カーティス・ヘボン(Hepburn。ヘボンは(ヘップバーン)の英語発音)が、日本語表記の為に編成したのが現在のローマ字の基本です。
ちなみに、ヘボン氏とは「生麦事件」の時に死傷したイギリス人を手当てした医師としても歴史に残っています。
この最初にできたローマ字書式が「旧ヘボン式」、その後これが英語に近すぎるとして物理学者の田中館愛橘氏が作った書式が「日本式」になり、その二つがが統一されて1937年(昭12)に内閣訓令で定められた書式が「訓令式」になります。
終戦後にGHQが日本国内の駅名表示にこの「訓令式」を採用したことにより全国に広まったようですが、ヘボン式も一部改正され併用され続け現在に至るようです。
ヘボン式と訓令式のローマ字の違いは、
例え①「福島=ふくしま」
- ヘボン式=Fukushima
- 訓令式 =Hukusima (日本式も同じ)
例え②「女子=じょし」
- ヘボン式=Joshi
- 訓令式 =Zyosi(日本式も同じ)
参考ですが、旧ヘボン式と現ヘボン式にも違いがあります。
①「田んぼ=たんぼ」なら
- 旧ヘボン式=Tambo
- 現ヘボン式=Tanbo
②「新橋(駅)=しんばし」の表記は旧ヘボン式
- 旧ヘボン式=Shimbashi(現在表記使用)
- 現ヘボン式=Shinbashi
以外に違いがありますので統一したくなることは理解できます。
ただ、パソコンのローマ字入力は「訓令式」を使っていることになるし、これからも併用されると思います。
統一になり「令和式ローマ字」にでもなるのでしょうか?そしたら、現在使われているローマ字地名は全て替えるのでしょうか?
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コメント
ここで、郡山をローマ字表記にすると。
こりやま。
大阪はおさかになってしまいます。
投稿: もうぞう | 2024年3月 5日 (火曜日) 18:17
>もうぞうさんへ
大阪はおっしゃる通り「おさか」でしたが、郡山市のホームページでのアルファベット表記は「kooriyama・・」というように「こおりやま」になっていました。
投稿: 玉ヰひろた | 2024年3月 5日 (火曜日) 19:56