カーボンニュートラルと「セメント」
日本の国内の建物で、住宅も含めてセメントで作られるコンクリートが使われていないものは皆無ではないでしょうか。
小さな我が家でも基礎に使われ、外壁はモルタルですからセメントが使われています。
イギリスシンクタンクの王立国際問題研究所(チャタムハウス)によると、全世界で2021年に製造されたセメント量は40億トンを超えたそうです。
このセメントというのは、製造過程の中間製品であるクリンカを製造するプロセスで原料(石灰石)から化学反応によってで大量の二酸化炭素が排出されのですが、同シンクタンクによれば全世界のCO2排出量の8%を占めるものだったそうです。
セメント産業は、日本国内でも電力、鉄鋼に次ぐCO2排出量が多い産業の一つであり(日本の温室効果ガス総排出量の約4%)、その排出削減対策は重要な課題となりました。
2019年6月に閣議決定された「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」を踏まえ、日本の技術力による大きな貢献が可能な39テーマの一つとして、「CO2を原料とするセメント製造プロセスの確立」が設定されたそうです。
日本の技術には、この分野の2050年における世界全体のCO2削減量を約43億トンになると期待されているようですが、地味な取り組みだということでしょうか?日本のマスメディアで取り上げた記憶がありません。
今日もまた温暖化によるものか?は不明ですが、ヨーロッパのオリーブ産地では干ばつで不作で単価が高騰し、反対に中国の南部では大洪水で死者が出ていることがNHKBSワールドニュースで流れていましたが国内メディアは皆同じような報道ばかりです。
もう少し、他のニュースも報道してほしいです
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コメント
いつもながらの知識に驚くばかりですが・・。
そうなんですか知りませんでした。
セメントは、自然石からの抽出で、まさかCO2を出して出来ているとは・・・・。
後の、コンクリートの処理も課題ですが、CO2を出さない、構造材が必要ですね。
投稿: ひで | 2024年4月23日 (火曜日) 22:40
そういえば、セメント1t作るのにCO2も約1t排出するといわれています。
石灰岩などの材料を燃焼させてコンクリートなどを作るからCO2を排出する。
セメント産業では大量の廃棄物などを燃料として活用してほしい。
投稿: へこきあねさ | 2024年4月24日 (水曜日) 07:05
>ひでさんへ
>へこきあねさんへ
セメントの場合は、製造技術を変えるだけで減らせるらしく、その技術もすでに開発されつつあるようですが、問題は設備投資のコストでしょうね
投稿: 玉ヰひろた | 2024年4月24日 (水曜日) 08:31