植物分類名変更で混乱する図鑑
このブログには「マイフォト」として多くの花や植物をアップし、その説明に○○科○○属のような分類名も記載するようにしていますが、調べるサイトや図鑑によって違っていることが多々あります。
その理由が判りました
植物の分類というのは旧ロシアやドイツなどの科学者によって始まったのは、日本ではまだ江戸時代のころになります。
その分類は、顕微鏡を使っての気の遠くなるような分析によるものでした。
ところが、近代(特にここ数年)になると顕微鏡が発達、さらに「ゲノム解析(遺伝子解析)」による分子系統学が大きく発展し、植物の分類体系もこの手法を用いた分類が主流になり、植物の分類と分類名は一変してしまったのです。
そのため旧分類とゲノム解析の近代分類などが、図鑑によって混在するようになったようなのです。
例えば「ガマズミ」という樹木は「ガマズミ科」という分類でしたが「スイカズラ科」になり、近代のゲノム解析から「レンプクソウ科」と変更され二つの分類名が併用されるようになります。
その後、より古い名称に優先権があるので、「ガマズミ科」を用いることが決まったのです(2017年7月の国際植物学学会より引用)
2023年度前期放送のNHK連続テレビ小説『らんまん』の主役で神木隆之介さんが演じた「槙野万太郎」は、高知県高岡郡佐川町出身で「日本の植物学の父」と知られる「牧野 富太郎(まきの とみたろう、1862年5月22日(文久2年)~ 1957年〈昭和32年〉1月18日)氏でした。
同氏は寝食もも忘れて日本中の植物の分類を行った人物ですが、それだけ苦労した分類の多くが「正しくない」として変更されている現在の様子をあの世から見てどう思っているでしょうか?
たぶん「今の若い科学者は素晴らしい」とおっしゃっていることでしょう。
ただ、困っているのはわたしです。マイフォトの植物の分類名の多くが変更されていて「どうしよう」です。
気が向いたら、少しづつやろうかな・・・(笑)
変更された植物の一部を掲載しておきます。
植物名 | 変更後(APG分類) | 従来の分類科名 |
---|---|---|
アオキ | アオキ科 | ミズキ科 |
アオギリ | アオイ科 | アオギリ科 |
アジサイ | アジサイ科 | ユキノシタ科 |
アロエ | ススキノキ科 | ユリ科 |
イイギリ | ヤナギ科 | イイギリ科 |
イトラン | キジカクシ科 | リュウゼツラン科 |
イヌガヤ | イチイ科 | イヌガヤ科 |
ウツギ | アジサイ科 | ユキノシタ科 |
エノキ | アサ科 | ニレ科 |
エンレイソウ | シュロソウ科 | ユリ科 |
オミナエシ | スイカズラ科 | オミナエシ科 |
オモト | キジカクシ科 | ユリ科 |
オリヅルラン | キジカクシ科 | ユリ科 |
カエデ | ムクロジ科 | カエデ科 |
ガマズミ | ガマズミ科 | スイカズラ科 |
キチジョウソウ | キジカクシ科 | ユリ科 |
ギボウシ | キジカクシ科 | ユリ科 |
キリ | キリ科 | ゴマノハグサ科 |
クサギ | シソ科 | クマツヅラ科 |
コウヨウザン | ヒノキ科 | スギ科 |
ゴクラクチョウカ | ゴクラクチョウカ科 | バショウ科 |
サカキ | サカキ科 | ツバキ科 |
ザクロ | ミソハギ科 | ザクロ科 |
シオデ | サルトリイバラ科 | ユリ科 |
シナノキ | アオイ科 | シナノキ科 |
ジャノヒゲ | キジカクシ科 | ユリ科 |
ショウジョウバカマ | シュロソウ科 | ユリ科 |
ショウブ | ショウブ科 | サトイモ科 |
スイショウ | ヒノキ科 | スギ科 |
スギ | ヒノキ科 | スギ科 |
スグリ | スグリ科 | ユキノシタ科 |
スズラン | キジカクシ科 | ユリ科 |
セコイア | ヒノキ科 | スギ科 |
センネンボク | キジカクシ科 | リュウゼツラン科 |
トチノキ | ムクロジ科 | トチノキ科 |
ナギイカダ | キジカクシ科 | ユリ科 |
ナルコユリ | キジカクシ科 | ユリ科 |
ニワトコ | ガマズミ科 | スイカズラ科 |
ネギ | ヒガンバナ科 | ユリ科 |
ハナイカダ | ハナイカダ科 | ミズキ科 |
ハナニラ | ヒガンバナ科 | ユリ科 |
ハマゴウ | シソ科 | クマツヅラ科 |
ハラン | キジカクシ科 | ユリ科 |
ヒアシンス | キジカクシ科 | ユリ科 |
ヒサカキ | サカキ科 | ツバキ科 |
フォルミウム | ススキノキ科 | リュウゼツラン科 |
ホウキギ | ヒユ科 | アカザ科 |
マツムシソウ | スイカズラ科 | マツムシソウ科 |
ムクノキ | アサ科 | ニレ科 |
ムスカリ | キジカクシ科 | ユリ科 |
ムラサキクンシラン | ヒガンバナ科 | ユリ科 |
ムラサキシキブ | シソ科 | クマツヅラ科 |
メタセコイア | ヒノキ科 | スギ科 |
モッコク | サカキ科 | ツバキ科 |
ヤブコウジ | サクラソウ科 | ヤブコウジ科 |
ヤブラン | キジカクシ科 | ユリ科 |
ラクウショウ | ヒノキ科 | スギ科 |
リュウケツジュ | キジカクシ科 | リュウゼツラン科 |
リュウゼツラン | キジカクシ科 | リュウゼツラン科 |
ワスレグサ | ススキノキ科 | ユリ科 |
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コメント
そうですね、以前とは違うんですよね困りました。
でも自分は学者じゃないので、馴染みのある学名で載せようかと?
投稿: JACKS | 2024年6月 2日 07:53
>JACKSさんへ
学名までは調べませんでしたが、変わっているのかもしれませんね
投稿: 玉ヰひろた | 2024年6月 2日 11:23
こんばんは。
・「文章」を読んで。
こんなに変更があるなんて、知りませんでしたね。
投稿: H.K | 2024年6月 2日 19:36
>H.Kさんへ
私も知りませんでした
投稿: 玉ヰひろた | 2024年6月 2日 20:05