イタリアの災害対策の考え方
世界中で起こっている洪水などの自然災害ですが、その災害対策で先進国としてもっとも高く評価されているのが、日本と同じく火山が多い地震国のイタリアです。
イタリアには「イタリア市民保護局」という国家機関が存在し、災害が起こった場合に物資と訓練された専門のボランティアの方々が48時間以内に被災地派遣されTKBがセットされて活動を始める体制が整っているのです。
TKBとは?
Tはトイレの頭文字で、被災地ではトイレとシャワーの準備設営が行われます。
Kはキッチンの頭文字で、文字通り食事のことで、食堂とキッチンが整備され、そこではプロの料理人が調理したレストランのような料理が出されます。
Bはベットの頭文字で、被災者の睡眠と生活環境のことで、被災地ではテントが用意され4人家族なら約100㎡の空間にベッドが入り、空調も完備され、そこには衣服もあり、防寒着や下着、中衣なども揃えられことになります。
イタリアには全国各地に巨大な備蓄基地が点在し、常時約10,000人が長期避難生活を不自由なく過ごせる資機材が備蓄されていて、緊急時にはトラックで48時間以内に必要な物資が国から届けられるとのことになっています。
さらに同じく48時間以内に、PTSD予防に向け臨床心理士が派遣され、子どもの遊び場や、乳幼児を守るケアも整えられることになっていて、それらすべてが「イタリア市民保護局」が受け持っているそうです。
この保護局で働くスタッフはローマ市の市民保護局だけで800名が常時待機し、避難所運営を担う登録と訓練を行っているボランティアは300万人にもなります。
日本の内閣防災担当が90名(臨時)なのと比べたら、けた違いの人数に驚かされます
イタリアがすごいのは「被災地の人々は役所の職員を含め被災者なのだから、被災しない地域の者が率先して助けるのはのは義務だ」という考え方です。
被災したら、その被災地で被災者でもある役所職員や消防団などが中心に動くのが常識とする日本とは正反対の考え方です。
こういう組織は欧米先進国はもちろんのこと、アジア諸国にはも必ずある組織だそうですが日本には存在しません。
それどころか、阪神淡路大震災や東日本大震災のときに組織することが議論されましたがつくろうともしないのが日本政府です。
温暖化が進みさらに自然災害が多発する現状なのに、災害対策では未だに後進国の日本なのです。
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コメント
今回の地震で、痛感をしました。
公衆トイレ、トレラーハウス 仮設住宅等は、国、県でそれぞれが分担をして地方毎に一定量を確保をしておくべきかと思います。
国、県 市町での補完する資材、物品を準備をしておき、それぞれ被災地迄届けるスタイルがベストかと思います。
特に、仮設住宅等は、移動可能トレラーを含めて、東北、北陸等で、県で分担をしておく必要があると感じました。
行政職員も同様で、ブロック内での相互支援体制の事前構築などを含んで、災害対策庁?的な機能が必要かと思います。
投稿: ひで | 2024年7月 1日 (月曜日) 09:58
>ひでさんへ
イタリアでは公衆トイレ、食料 仮設住宅等などは国が担当しているそうです
投稿: 玉ヰひろた | 2024年7月 1日 (月曜日) 14:28