袴田さん無罪が確定
今から58年前の1966年(昭和41)、現在の静岡市清水区でみそ製造会社の専務一家4人が殺害され、その犯人として死刑が確定した袴田巌さん(88)の再審は、2024年5月、あわせて15回に及んだすべての審理が終わりました。
最大の争点は、事件発生から1年と2ヵ月経ってから現場近くのみそタンクから見つかった証拠の「5点の衣類」に付いていた血痕に赤みが残っていたことが不自然かどうかでした。
<検察の有罪であるという主張>
- 1年あまりみその中に入っていた衣類は、の血痕に赤みが残る可能性はある。
その衣類は袴田死刑囚が犯行時に着用したものである。
したがって、死刑たる十分な証拠である
<袴田さんの弁護団の無罪である主張>
- 専門家による鑑定などで、1年以上みそに漬けられた血痕に赤みが残ることはないことが明らかになった。
捜査機関が有罪にするために衣類をタンクに隠したとしか考えられない。
捏造された証拠で無罪である
26日午後2時、静岡地裁は弁護団が無罪の根拠とした上記主張の証拠を認め「無罪」の判決を下しました。
死刑が確定した事件で再審が開かれたのは、袴田事件を含め5件目ですが、そのすべてが無罪になりました。
無罪を信じ戦ってきた90歳近い袴田さんと90歳過ぎの姉、事件発生から60年近くたって無罪となり二人の姉弟の人権は戻りましたが、その人生の損失はだれの責任になるのでしょうか?償うのでしょうか?
恐ろしいのは、終戦後から昭和40年代までの警察の取り調べ方です。
どれだけの人が無実の罪で捕まったのでしょうか?
それとは逆に、どれだけ多くの犯人が捕まらずに逃げおおせたのでしょうか?
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