「健康」と言う言葉はいつできたか
健康へのこだわりは、全世界の人々に共通する思いでしょう。
さてこの「健康」という熟語は昔の日本には存在しませんが、それは何時から使われるようになったのか?語源は何だろうか?と思いに至る人は稀だと思います。
漢字と言えばそのすべてが中国から導入されたもで、健康の語源は中国の古典『易経』の「健体康心」といわれていますが、中国では過去も現在も「健康」は使われていないのでそれは違うようです。
「健康」と言う熟語が最初に出てくるのは江戸時代中期の1751年(第8代将軍徳川吉宗と江戸町奉行大岡越前守忠相が相次いで亡くなった年)、静岡県沼津市にある松蔭寺の禅師白隠慧鶴が法話を記述した仮名法話『於仁安佐美』の中で初めて「健康」という記述が出てくるそうです。
その後、江戸時代後期になって、蘭学者たちが「Health」の日本語訳として「健康」を使用、1796年には稲村三伯が刊行した蘭和辞典『波留麻和解』の中で「健康」が使われて、長い間これが最初の「健康」の使用と考えられてきました。
ただ、これらは江戸時代の名医である蘭方医の緒方洪庵や語学の天才と呼ばれた高野長英らなど、当時の知識人たちの中だけで使われていたようです。
「健康」が国民的に使われだしたのは明治になってからで、福沢諭吉が『学問ノススメ』や『文明論之概略』などで使用したことにより、「健康」が常用語になっていったようです。
ちなみに、現在中国では日本語でいう「健康」のことを、前後が逆になる「康健」と記しているようです。
健康は、心身ともに願いたいです
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