「熨斗」と「水引」には大事な意味あり
本日親戚の葬儀告別式でしたが、わたしは昨夜の通夜式にだけ参列とし今日の本葬には母の通院予約日の為ご勘弁をいただきました。
法要や葬儀には黒熨斗というものに香典などの現金を包んでいきますが、これは”熨斗”ではなく「掛け紙」というのが本来の言い方です。
なぜなら「熨斗」が無いからです。
「熨斗」とは「熨斗鮑(のしあわび)」を短縮した言葉で、古代中国では不老不死、長寿などの縁起物の象徴とされてきた「あわび貝」を薄くして長く伸ばし(のし)干した「のしアワビ」が由来で「お祝い」に使われるものです。
今はプリントですが、祝い熨斗の向かって左上にある5角形のあの印こそが「熨斗」なのです。
ですから、お祝いではない「法要・葬儀」、また「お見舞い」には使われないし、プリントされていないのです。
ただ、共通して使われるのが水引で、これにも重要な意味が込められています。
水引はただの装飾ではなく、品物を送る相手に配慮をしたさまざまな意味が込められています。
水引に込められている意味>
- 供物(贈物)が未開封である証。
- 贈り物に不吉なものが憑かないように魔除けを意味する。
- 人との絆・ご縁を強固に結ぶことを連想させる。
水引は、飛鳥時代に隋国から持ち帰った贈り物に紅白の紐がかけられていたことから、日本の朝廷への贈り物にも紅白の紐が結ばれるようになり、平安時代には水引と呼ばれるようになり一般にも広まっていった慣習のようです。
本数は縁起が良いとされる奇数の「3本、5本」、さらに上位の場合に「7本」となり、この3つの奇数が基本ですが、今はプリントなので「5本」と「7本」だけで「3本」というのは見たことが無いですね。
色合わせは、「紅白」、「黒白」、「金銀」などがあり、北陸や新潟では黒を嫌う風習があるらしく「黒白」の代わりに「黄白」が使われています。
しかし、前にも記しましたが今はプリントなので、白地に白では見えないので淡いグレーや銀色・銀鼠などの色が白の代わりに使われています。
今から40年以上も前に贈答品なども扱う店に勤めていたころには、客によってはこの水引の本数に強くこだわる方もおいでになりました。
ただ、そのころでもすでに熨斗紙はプリントが常識で本数を選ぶことは困難であり、非常に困った思い出があります。
現在は、水引の本数などにこだわる人や気にする人などいませんので簡単でいいですね。
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コメント
さすが、よくご存じですこと。
新潟のことまで。
さてこの黄色の水引、使い道が少なくて困るときがあります。
主には年忌などですが、最近は省略する家庭が多くなってますからね。
投稿: もうぞう | 2024年12月14日 18:14
>もうぞうさんへ
それも、なんでも東京が常識と考えるテレビの影響ですかね
投稿: 玉ヰひろた | 2024年12月15日 10:53