政府備蓄米の確保が困難になっている!?
昨年の(玄米は有るのに)白米不足からコメの価格高騰に対処するため政府は国の備蓄米を放出することになりましたが、その備蓄米は仲卸業などには渡らずほぼ全量がJAに渡されるという不可思議な行動に批判が起こり政府は対応に苦慮しているようです。
この備蓄米について、さらなる問題が起こっています。
この備蓄米と言うのは、全国の事前契約した農家から毎年約20万トンのコメを買い入れ、備蓄総量として5年分の100万トン程度になるように調整し保管することになっています。
その年間20万トンの内、約60%(12万トン超)が東北農政局の管内の農家が納入しているのですが、今年は40%ほどにあたる10万トン程度に留まって予定数量の確保が難しくなっているというのです。
これは、備蓄米の契約は前年に行われるため、安かった年の単価での契約農家が備蓄米として政府に売り渡すより、価格が高い別の業者に出荷する方が利益が出るため、そちらへ引き渡す農家が増えていることが主な要因のようです。
実は、備蓄米納入の契約をした農家は、契約数量のコメを納入しないと「違約金」、つまり罰則金が発生するのですが、違約金を払っても一般業者などに売った方が利益が多くなるため契約農家は一般向けの販売に転じているようです。
それよりもっと深刻なのは、
今まで政府に備蓄米として協力契約していた農家が、政府売り渡し価格の備蓄米と業者への売り渡し価格に差があり過ぎるため「今年は、政府との備蓄米の契約はやらない」という農家が急増しているということです。
東北農政局内でも、契約農家が多い福島県ではその動きが顕著だときょうの朝刊に載りました。
政府は契約する農家へのさらなる支援策を講じるか、または外国からの輸入を増やすかもしれません。
しかし、日本はコメだけは自給率100%になっているだけに、安全保障の観点からも災害時の備蓄米を輸入で賄うのは避けるべきと思います。
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