112年ぶりの帰国
明治32年(1899)に制定施行された「北海道旧土人保護法」は、アイヌの人々を人間と扱わず言語まで禁止するものでした。
それは平成9年(1997)に廃止されるまで約100年間も維持されアイヌ民たちは人権を奪われてきました。
その間に少数民族研究者らによって人間の標本として、アイヌの人のご遺体は各国に送られ保管されることになります。
この法律が廃止されアイヌの人々の人権が戻ると、収集されたアイヌ人標本を「ご遺骨」として返還が求められ、2017年にドイツ、2023年にオーストラリアから返還され北海道に埋葬されました。
そして昨日の4月30日、イギリスの北部スコットランドのエディンバラ大学で保管されていたアイヌ民族のご遺骨3柱が、日本から訪れたアイヌ団体代表らに返還されました。
ご遺骨は1913年(大正2)、当時日本で暮らしてアイヌ社会の中で医療活動をしていた英国人医師でアイヌ文化の研究者だったニール・ゴードン・マンロー氏がイギリスの母校の同大学に寄贈したもので、それを日本政府が返還を請求しこのたび返還の運びとなったものです。、
エディンバラ大学で行われた返還式典に出席した「北海道アイヌ協会」の大川勝理事長は
「胸が熱くなる。持って帰り神々にお願いして供養する」
と感慨深げに思いが語られ、そして同大学のマティソン学長からは
「(遺骨を)本来戻すべき人々そして故郷に返すことができたことを誇りに感じる」
との思いが語られたそうです。
112年ぶりの帰郷となるご遺骨、亡くなられた状況はどうだったのか? ご本人はあの世でなんと思っていることでしょうか? ぜひ聞いてみたい気がします
太平洋戦争で南方の島で戦死した私の祖父の遺骨は未だにどこに有るかもわからず帰国していませんが、帰る確率は0%だと老いた遺族は考えています。
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