「正月(元日)」は三つある?!
アジアには中国など中心にした古い歴史がありましたが、日本の場合は150年ほど前の明治になって急激に西洋文化を取り入れて変化しました。
暦・カレンダーがその代表かもしれません。
タイトルにもしましたが、現在でも日本では1年の始まりである正月が3つ存在しています。
- 西暦(グレゴリオ歴)の正月
キリストの誕生を起源とするもので、現在のカレンダー - 旧暦(陰暦=太陰太陽暦)の正月
月の満ち欠け(月齢)を基準とした暦。 - 立春を春の始まりの起点とする正月
太陽の黄道(こうどう)上の動きを基準に決められる二十四節気の暦
旧暦の正月といえば中国では「春節」として年間で最も重要な祭日となり、国中の道路が渋滞する大移動の様子で日本でも特別な日として知られるようになりました。
1年に三度、新しい年の始まりを体感できると考えるとめでたくもありますが、旧暦はいいとして「立春=正月」の考え方はそれを無くした場合に何か不都合や影響はあるのだろうかと考えたくなります。
←のような書物を見たことがあると思います。
これにはその年の方位の良し悪しとか、個人の九星・干支などが記載されている、いわば「易」の書ですね。
昔はこれがかなり重視され、結婚の相性とか物事の始まりの日をみるとかに使われましたが、今は気にする人は少なくなったと思います。
この中に「年齢干支九星早見表」というのがあり、誕生日を合わせると自分の干支と九星が判りますが、そこには但し書きがありまして
『各本命星は、該当年の「立春」から「翌年の節分」までに生まれた方になりますので、翌年の節分までに生まれた方は前年のものに当てはまります』
というような内容になります。
例えば、「2024年、2月1日に生まれた方の場合」は【干支=甲辰(こうしん)、十二支=辰、星=三碧木星】ですが、これは立春前に生まれているので誤りで↓になります。
- 干支=癸卯(きぼう)、十二支=卯、星=四緑木製
これが正しい内容で、これを当てはめて自分の運勢を見ることになります。
つまり私のように1月の早生まれの人は、前年の暦になるので見方に注意が必要だということになります。
ただ、1年の境を節分・立春ではなく旧暦で分けて判断することもあり、そうなると複雑ですが、私の場合は旧暦では12月生まれなので何も問題ないようです。
さて余談ですが、前にも記しましたが、旧暦と立春の数え方は根本的に違っているので、「旧正月」と「立春」の日にちが前後することがあります。
その旧暦正月と立春のズレ方で、それぞれに名称が存在しています
- 「新年立春」
「旧正月」の元日のあとに“立春”が訪れる場合のこと - 「年内立春」
「旧正月」の元日より早く“立春”が来る場合のこと - 「朔旦立春」(さくたんりっしゅん)
30年に1度ほど訪れる「旧正月」の元日と“立春”の日が重なること - 「無春年」
“旧暦”の1年の間に“立春”が訪れない場合のこと
月に由来する「旧正月」と太陽由来の“立春”という別の基準で設けられた正月の考え方が、混乱することなく共存しているというのも、お盆とクリスマスと正月を行う日本人の大様さと多神信仰の考え方だと感じます。
長文になってしまいました。
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