電力不足解消は、3月末まで無理らしい
先週からの寒波で各地で大雪になり電力需給が厳しくなったとして、電力各社は国民へ「節電」を呼びかけましたが、説明不足のため国民の多くがその呼びかけに懐疑的反応示した気がします。
<理由その1>想定外の電力需要
電力各社は10年に1度の寒さを想定して電力の受給計画を作成したが、多くの大手電力管内で需要がその想定を上回ってしまった。
<理由その2>火力発電所の燃料不足
国内火力発電所の50%が燃料にLNG(液化天然ガス)を使用しているが、その調達(輸入)に時間がかかって不足し始めている。
『LNGが不足している理由』
- 昨年(2020)、LNGの生産国であるオーストラリアの大型事業「ゴーゴン」で、整備不良が見つかり修理が長引いて生産が滞っている。修理の完了は今年の3月末。
- 昨年は悪いことに、ほぼ同時期にマレーシアやカタールなどの世界各国のプラントでも設備不調が起こり生産減が続いている。
- コロナ感染が収まった(?)中国や韓国では、工場が再開し電気需要が急増、それに伴って火力発電用のLNGの輸入を急増させている
- 頼みのアメリカのLNG産地はメキシコ湾沿いにあり、
需要が高まった日本などアジアに向かう途中のパナマ運河では、通過しようとするタンカー同士の渋滞が起こり物流網に遅れが続いている。
<理由その3>太陽光発電の電力量低下
全国の太陽光発電が、大雪や長雨などの悪天候で発電量が低下している。
オーストラリアなど世界各地で、しかも同時期にの生産施設でトラブルが起こるのは初めてのことだそうですが、昨年はコビッド-19感染拡大で需要が減少したので影響が少なかったようです。
ところが、需要が急増した今になってその影響が出てきたようです。
つまり、日本の永遠のテーマである「燃料不足」と、そこにまたまた中国の輸入増加の影響が電力不足の要因ということでしょうか。
一気に解決するのは原発再稼働ですが、それは国内世論が許さないでしょうね。
LNGの輸入単価も急騰しているようで、電気料金にも影響が出そうですし、電力不足で病院が止まったらそれこそ大変ですから、国民は節電に努めるしかないようです。
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