空中都市008のアイテム
我が家にテレビがやってきたのは、村でもかなり遅いほうでした。それでもまだ祖父は存命で、テレビがリモコンじゃなかった時代、その祖父にわたしはチャンネルとボリュウーム調整によく使われていました。
もちろんテレビ局はNHKのみでしたが、大好きな番組が沢山ありました。「てなもんや三度笠」、「ジェスチャー」などの番組も面白かったですが、それらはどちらかと言うと大人たちが主でしたね。
子供の場合は、夕方放送の人形劇「ひょっこりひょうたん島」、また「忍者部隊月光」、「月光仮面」などでしょう。
そして、「ひょっこりひょうたん島」後に放送された人形劇「空中都市008」は、わたしは特に好きでした。
ただ私は好きでしたが、番組としては「ひょっこりひょうたん島」より内容が難しく、子供には難解だった為に僅か一年=1969年(昭和44)~1970年(昭和45)で終了になったようです。
原作はあの「日本沈没」(1973刊行)の作者、故小松左京氏のSF児童小説『空中都市008アオゾラ市のものがたり』を原作としたもので、科学技術の発達した時代(21世紀)にある空中都市『008』を舞台に、父親が科学者の大原家の日常を描いていくものでした。
あのころ「21世紀」という言葉には、なんとも言えないあこがれがありました。
そしてその21世紀の今現在、空中都市008で「未来のもの」として小松左京氏が考え出したものはほとんどが現実となっていることに、同氏の想像力や科学知識のすごさに驚かされます。
空中都市008に描かれていたもの、事件>
- テレビ電話
- テレビ通販での買い物
- 立体交差点
- 衝突防止付き、自動運転の自動車
- 原子力船
- 大地震で起こる、原子力発電所の大事故
その21世の現代、上記のものが現実になっています。
小松左京氏は阪神大震災で自身が被災する経験をし、2011年の東日本大震災を見、その年の7月に他界されたそうですから、未曽有の大災害を2回も見たわけです。
脳裏には自分の小説「日本沈没」がよぎったでしょうね。
それにしてもSF作家というのは、まるで未来からタイムスリップしてきた人のようで、驚くばかりです。
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