カテゴリー「ことばの出会い」の145件の記事

2023年4月 8日

「アナリスト」と「ジャーナリスト」の違い

オンライン上で「アナリスト」と「ジャーナリスト」との違いについてちょっとした論争になっていました。

改めて考えるとその違いはよく分からないし、そもそもこの二つのカタカナ語の本来の意味を説明できない気がします。

  • 「アナリスト」は「特定分野の高度な専門知識と分析能力、リソース(情報源)を持つ専門家や有資格者で、依頼者にアドバイスを行う者」
  • 「ジャーナリスト」は「新聞社・出版社などに所属して、時事問題について自ら徹底的な取材活動を行って自分の見解を解説・報道する者(資格は不要で自称が基本)」を意味する。

どちらも、メディアなどの媒体を使って発表することは同じ気がしますが、ジャーナリストの基本は事実を伝えることに対し、アナリストは真実・真相・要因を解説する人たちのことと考えていいのでしょう。

こういうのは、カタカナにせず「専門研究者」と「記者」としたほうが判りやすいと思うのは年代のせいでしょうか?

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2023年4月 2日

「努力義務」という日本語は

今月から(令和5年4月1日)、改正道路交通法の施行により自転車に乗る場合には年齢関係なくヘルメット着用が‘努力義務’となりました。

つまり、自転車に乗る場合はそれ用のヘルメットを着用することに努めなければならない、ただし装着しなくても罰金や罰則は無いということです。

施行された1日に隣の市に出かけましたが、ヘルメットを着用していたのはたった1人でそのほかの人は未着用で乗っていました。

もっと前に施行になった「自転車の右側路側帯の通行禁止」も、いまだに違反している自転車は後を絶ちません。

毎度のことですが、承知の徹底がなされていないことは明らかです。

よく考えれば、そもそも「努力義務」という日本語がとても不可思議な日本語です。

「原則義務」との違いは何でしょう?

日本語として、「原則義務」のほうがもっと合っている気もします。

 

 

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2023年1月10日

「 次葉 」とは?

松の内も明け雪もチラチラなので、畑に放置して乾燥させていた豆柄などを取り込み、梅の木と桜の木の剪定を始めました。

そしたら、その雪が時間を追うごとに大きなものとなり、積もりだしたので途中で切り上げてしまいました。

ということでまた家の中にこもることになったので、来月中旬ごろに予定されている「確定申告 相談日」に備えて持参する資料作りをしました。

大体はそろっていたのですが、医療費控除の書類が残っていたのでそれに取り掛かり完成させました。

これで、準備万端です。

ところで、昨年はこの医療費控除の書類への記入が多く欄が不足したのですが、記入欄が不足の場合はどうするのだろうと検索したら出てきたのがタイトルの「次葉じよう)」というものです。

「次葉」は既定の書類に書ききれない場合につぎ足し・添付する書類を指す言葉のようですが、耳慣れない言葉なのでその語源などを調べてみました。

「葉」とは「葉のような平たいもの。紙」という意味があり、つまり「次に続く書類」という意味になるようです。

先人の作った言葉というのは粋というか、情緒と趣のある言葉多いものです。

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2022年12月25日

インドのあり過ぎる公用語

【公用語】とは、『一つの国家で多言語が使用されている場合、公の場で使用されることが正式に認められている一つまたは複数の言語』と辞書にはあります。

今戦火に見舞われているウクライナも「ウクライナ語」と「ロシア語」、中国は大きく分けて「北京語」と「広東語」と「台湾語」となりましょうか。

ただし、国によっては準公用語なるものも存在することが海外ではあります。

例えば、カナダの公用語は「フランス語」と定められていますが、フランス語と英語がほぼ半々に使われています。

ですから、国内なら通じる言語(共通語)という認識の私には、公用語は2~3の言語というイメージがあります。

ところが、インドという国家の公用語の数は「21言語」も存在し、さらにイギリスの植民地だったせいで英語も準公用語にもなっているらしいので、インドでの公用語は「22言語」にも達するらしいのです。

こんなに沢山あったら公用語じゃないと思うのですが、国家が広く大陸にある国家としては当たり前なんでしょう。

こういう国家だからこそ、日本政府と違って外交がしたたかなんでしょうか

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2022年12月10日

チン・チャン・チョン

ドイツでは、ワールドカップの日本対スペインのゲームで決勝点となったゴールについていまだに議論が続いているようです。

あの決勝点で、ドイツが維持リーグ敗退となったのですから、立場が逆なら日本でも同じようなことになっていた可能性は高いです。

ドイツの大手ニュースチャンネル『WELT』で、そのことを議論にするWEB動画の中で出演した元プロサッカー選手ジミー・ハルトウィグ氏が、日本人に対していきなりおじぎをするポーズをしながら「チン・チャン・チョン(Ching Chang chong)」と発言したのだそうです。

「チン・チャン・チョン」とは、言葉自体に意味はないのですが、アジア人(特に東洋人)を侮蔑するときに使う言葉なんだそうです。

これを視聴した在独日本人から猛反発があり、動画は削除されたそうですがネット上に広がっているようです。

この影響で、ドイツに住む日本人の子供が学校で同じ言葉を浴びせられることに発展しているらしいのです。

「チン・チャン・チョン」は、たぶん中国人や韓国人に多い名前から来たのだろうと思いますが、ヨーロッパではよく知られている言葉だそうです。

このほかにも日本人に対する「ライスアプライルング(Reisabteilung)」という侮蔑言葉もあり、意味は“米ばかり食べる人種”といったような侮辱言葉のようです。

そういえば、日本人に対し古代では中国が「倭人」という蔑称で呼んだり、戦時中はアメリカが「ジャップ」と言っていました。

逆に日本人は欧米人などに対し「南蛮人」(南国の人、または南海経由で来る野蛮人)という蔑称使ったりしていました

どこの国にも、他国の人種を罵る言葉があるものなんですね。

それが何かのきっかけで出てくるということは、一生消えることはないということなのかもしれません。

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2022年12月 6日

進取果敢

今年10月30日に行われた福島県知事選、再選を果たしたのは現職の内堀知事になりました。

その内堀知事について、今日の新聞にプロフィールなどが改めて掲載されました。

そこのなかの「好きな言葉」で紹介されていたのが、タイトルの「進取果敢しんしゅかかん」だったのでした。

耳慣れない熟語なので、早速その意味を調べてみたら

自身の意思で積極的に取り組み、大きな決断力を持って、失敗を恐れずに取り組むこと。

と載っていました。

「勇猛果敢」も類語のようで、今までの内堀知事の行動を見るとその言葉を体現しているのがよくわかる気がしました。

わたしには、到底まねできないことだと思いました。

比べようもないですが、私が好きな四字熟語は「行雲流水」ですので、正反対な言葉かもしれません

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2022年11月21日

「あんぽんたんの吊るし柿」と言っていたが意味は?

我が家の晩秋の風物の「吊るし柿」が、今年も軒先に並んでいます。

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柿の種類は「ひらたね」とこちらでは言いますが、スーパーなどでは「平種無し柿」という名ではんばいされているのでそれが本来なのでしょう。

これが黒くなると、種がほとんどない甘い干し柿の完成です。今年は100個は軽く超す数になりました。

私が子供のころ、けんかをすると決まって「あんぽんたんの吊るし柿」と相手を罵ったものですが、その意味を問われたらよくわからないのですが言われると腹が立ったものです。

「あんぽんたん」とは漢字で「安保丹」と書くようで、これは「○○丹」などという昔の妙薬名にかけて効能が無い「アホ丹」が転じたという説があるようです。

わからないのは、その言葉に「吊るし柿」が添えられていることです。

想像ですが、大正時代に福島県の伊達郡で発案され今でも名産の「あんぽ柿」がありますが、この「あんぽ柿」と「あんぽんたん」が似た言い回しなので語呂合わせとして言われるようになったように思います。

ちなみに、「あんぽ柿」は私が所属する「JAふくしま未来」で販売していますが、ちょっと高額なので買ったことはありません。

自家製の干し柿で十分です(笑)

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2022年11月 4日

予想外の流行語大賞、これが?

2022年を代表する言葉を選ぶ「現代用語の基礎知識選 2022ユーキャン新語・流行語大賞」のノミネート30語が11月4日(金)のきょう、発表されました。

  1. インティマシー・コーディネーター
  2. インボイス制度
  3. 大谷ルール
  4. オーディオブック
  5. OBN(オールド・ボーイズ・ネットワーク)
  6. オミクロン株
  7. 顔パンツ
  8. ガチ中華
  9. キーウ
  10. きつねダンス
  11. 国葬儀
  12. こども家庭庁
  13. 宗教2世
  14. 知らんけど
  15. SPY×FAMILY
  16. スマホショルダー
  17. 青春って、すごく密なので
  18. #ちむどんどん反省会
  19. 丁寧な説明
  20. てまえどり
  21. ヌン活
  22. BIGBOSS
  23. 村神様
  24. メタバース
  25. ヤー!パワー!
  26. ヤクルト1000
  27. リスキリング
  28. ルッキズム
  29. 令和の怪物
  30. 悪い円安

12月1日に、この中のトップ10の中から大賞の「今年の流行語」が発表されるそうですが・・

私が10月10日に記事としてアップした『今年は記憶に残る言葉が多い』で予想した言葉はこの中にほとんど見当たらず知っているのも10語ぐらいです。

あとは、よくわからない「これが流行語?」というのがならんでいることに驚かされました。

完全に、私は流行語の世界から違う世界で生きているような気になってしまいました(笑)が、それは果たして流行語になるんでしょうか?

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2022年10月17日

「ありがとう」という‘短縮語’

昨今のテレビなどを視ていると、「目からうろこ」という言葉がよく使われ耳に入ってきます。

これは、キリスト教の「新約聖書」の一節から出た言葉のようで、その意味は知っています。

ただ、私の頭にあるこの言葉の使い方とフレーズは「目からウロコが落ちる思い・・」であり、どうしても私には中途半端で違和感を持ってしまうのです。

でもこの言い方が、これからは市民権を得て当たり前になっていくんでしょうね。

以前にも何度か取り上げましたが、日本語にはこういう文頭だけを拾った言い方が普通になったことば沢山あります。

その中でも、最も使われる有名な言葉が「ありがとう」、「ありがたい」という感謝・お礼のことばでしょう。

「ありがとう」、「ありがたい」を漢字にすると「有難う」「有難い」になり、そこには感謝の意味は存在していません

なぜそれが感謝の意味になるかというと、時代劇ファンのかたならよく解ると思いますが、ありがとうには省かれてしまった言葉が有るのです。

時代劇で、武士が殿様や上役の武士にお褒めの言葉、品をもらったときに言う感謝の言葉があります。

  • 有難きしあわせ
  • 有難き幸せでござります(存じます)

このように「幸せ」という、幸福感・嬉しさを表現する言葉が省略され、初めの「有難き」になっていることばなのです。

今でいったら「有難き」は「信じられない」と同義語ですから、「信じられない。ありがとう」と言った場合は、同じ言葉を繰り返していることになります。

そうはいっても、すでに「ありがとう」は独立した言葉として市民権を得てしまいましたので、これに対し違和感を持つ人は皆無でしょう。

日本語の感謝の伝え方は、直接の感謝の言葉ではなく「うれしさを伝える」という手法になっているのは日本文化・言葉の特徴の一つかもしれません。

言葉の変化というのは速くついていくのも大変ですが、そんなに無理してついていかなくても生きていけますよね(笑)

世界で最も難しい言語はギリシャ語だそうですが、日本語も負けず劣らずだと思います

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2022年10月10日

今年は記憶に残る言葉が多い

そろそろ話題になり始める毎年恒例の「流行語大賞」ですが、私個人としては今年ほど候補が多い年は無い気がしています。

直ぐに4~5は出てくるなどという年は、本当に珍しいと思っています。

例を上げれば

  1. ウクライナ
  2. プーチン大統領
  3. ゼレンスキー大統領
  4. 大谷翔平
  5. 円安
  6. 物価高、値上げ
  7. 3年ぶり開催
  8. 旧統一教会
  9. 国葬儀
  10. 安倍前総理
  11. 新型コロナ第7波

やはり、ロシア軍のウクライナ侵略関係と旧統一教会・安倍前総理関連が最も多い気がします。

ついで、今年も明るい話題を提供してくれた二刀流のメジャーリーガー大谷翔平選手の活躍でしょう。

私個人としては、福島県内もそうですが、全国的にことしは様々な行事やお祭りの多くが、3年ぶりの開催となったことから7番の「3年ぶり開催」を推したいです。

さて、何になるのでしょうか?

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