こわい
昨日、6月25日放送のNHKテレビ小説「なつぞら」の放送内容は、ヒロインと一緒に北海道から東京に来て菓子職人になる修行していた小畑雪次郎が、役者になるとして修行先を飛び出したことを聞きつけた北海道の家族が上京して夏のところへやってきたシーンから始まりました。
夏が間借りするおでん屋の前での会話で、雪次郎の祖母の小畑とよ役の高畑淳子さんが次のようなセリフを言いました。
「なっちゃん、どっか座るところはないかね? もう‘こわい、こわい’・・・は~ぁ」
この「こわい」ということば、私も普通に使う言葉なので判りましたが、全国で視聴している人々でどのくらいの人が解かったろうか?と思って視ていました。
以前にも記したことが有りますが、「こわい」には二つの漢字が有ります(広辞苑参照)。
- 怖い・恐い(こわい)
一般的に使われる「恐ろしい」という意味 - 強い(こわい)
ごわごわしている。硬い。険しい。手ごわい。疲れる。骨が折れるという意味
もち米を使う「さんさいおこわ」などの文字は「山菜お強」と言う風に「強い」を使う言葉である。
つまり、我が地域や山形等で使う「こわい」は「強い」のほうで、つらいなどの意味になり転じて「しんどい。疲れた」という意味です。
♪とうりゃんせ、とうりゃんせ・・・・行きはよいよい、帰りは強い・・・♪
この童謡の場合の「こわい」も「強い」です。
つまり、小畑とよばあちゃんは「疲れて、座りたかった」という意味で使用されたのですが、たぶん東京の人などは「東京は怖いところなんだ」というふうに誤解したことでしょうね。
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